2018 Fiscal Year Research-status Report
養育・教育期家庭の基本的生活習慣改善に関する研究―行動変容ステージモデルの適用
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16K00751
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
坂本 有芳 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (00468703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 衣代 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (80300375)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 生活習慣 / 遅寝 / 電子メディア利用 / 行動変容 / 家庭教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に収集した地域の子ども達の生活習慣に関する基本的データを分析した。小5、中2と学齢が上がると約2/3の児童生徒が睡眠に問題があり、睡眠不足が日常生活に支障をきたす最大の要因であることが明らかとなった。 また重回帰分析や共分散構造分析の結果、遅寝の原因として電子機器の利用時間の長さのみならず、通塾など課外活動時間の長さも問題であることが判明した。 電子機器の長時間利用は活力の不足との関わりが統計的にも有意であったが、家族とのコミュニケーションや情緒的な関わりによって悪影響を緩和できることも示唆された。 また、分析結果を学会で報告するとともに、地域の出前授業などで研究成果を紹介する機会を持つとともに、行動変容ステージモデルを念頭に置いたプログラムを用意し、講座中の参加者の観察や発話の記録を通じて、個々人の行動が変容するための効果的な支援方法を検討した。小中学校の出前授業では、時間が限られていることや行動変容ステージが様々な児童生徒が混在しているため、ステージ毎に別々の教育プログラムを実施することは困難であるという現実的な制約も明らかになった。 以上をふまえ、今年度は基本的生活習慣の改善が図りやすいと考えられる、未就学児のいる家庭を対象としたグループインタビューを実施し、改めて有効な家庭教育プログラムについて検討する。さらに初年度に収集した基礎的データの経年調査を実施し、睡眠を中心とした生活習慣の変動を把握するとともに、変動によって日常生活を良好な状態で過ごすことにどのような影響があるのか等を分析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
会場と参加者の確保が難しかったこと、研究代表者が他の業務で忙殺されたこと等から、予定通りにグループインタビュー調査を実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
養育・教育期家庭における基本的生活習慣改善のための効果的な支援内容と方法を明らかにするという目的を達成するため、現在、開催されている親子広場など各種の家庭教育学級の機会を活用し、養育期家庭を対象としたインタビューの機会を設ける。また基礎的データの収集と教育・保育現場へのフィードバックや、出前授業における生活習慣改善プログラムの実施など、インタビュー以外の方法でも目的達成のための検討を進める。
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Causes of Carryover |
当初予定のように、国内外の発表に行く時間が取れなかったこと、また予定どおりにグループインタビューが実施できず次年度に実施することにしたためである。今年度、調査実施費として「その他」を、学会発表のために「旅費」を、資料整理の人件費のために「謝金」の使用を計画している。
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Research Products
(8 results)