2016 Fiscal Year Research-status Report
持続可能な社会形成をめざす住生活文化に関する教育の実践的研究
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16K00752
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
妹尾 理子 香川大学, 教育学部, 教授 (20405096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大原 一興 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (10194268)
小林 文香 広島女学院大学, 人間生活学部, 准教授 (80389808)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 住文化 / 小学校教科書 / まちなみ再生 / 住教育 / 古民家再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.若者の伝統的住文化に関する知識・理解の実態について地域による違いの有無を検討するため、複数の地域で大学生に対するアンケート調査を実施し集計を行った。調査内容は、伝統的住まい内部の名称や建材・建具に関すること、畳に対するイメージや経験を問うもの、説明文や写真と住まい関連単語を結びつけるような調査も含む。集計結果の詳細な分析は次年度に実施する予定である。地域による意識や知識の違いがあるのか、先行研究の結果とも比較しながら考察していきたい。 2.日本の小学校における住文化に関する教育の現状を把握するために、全教科の教科書を調査し、住文化に関する記載内容を抽出し整理した。その結果、小学校においては国語の物語文や説明文、社会の歴史分野を中心に、音楽科での挿絵や写真、家庭科の季節に応じた住まい方の学習、図工、理科、算数、体育の教科書において、住文化に関する言葉や文章、写真やイラスト等が見られ、さまざまな教科学習の中で住文化を扱う機会があることがわかった。 3.教材としての伝統的な住まいやまちなみの実態を把握し可能性を探るために、国内の各地方に残る伝統的な住まいやまちなみの現状を視察し、子どもたちが住文化について学ぶ場としての可能性を探った。今年度は、奈良町、内子町(愛媛県)、倉敷美観地区、早島町(岡山県)などを訪問し、まちなみ保存の状況、資料館の様子などを調査した。伝統的なまちなみの再生は各地で進んでおり、わかりやすく魅力ある展示の工夫等が見られた。解説資料からは情報提供のあり方についても示唆を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
都市部(東京)と地方(広島)の大学生に対してアンケート調査を行うことができた。また、小学生への住文化教育の可能性を探るために、すべての教科書の実態調査も実施することができた。さらに、伝統的な住まいやまちなみの保存地区として知られている地域の現状についても視察調査ができ、今後の研究につながるものとなったと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、アンケート調査の結果を分析・考察する。また、伝統的な住まいやまちなみ保全に取り組んでいる地域の教育的取り組みや教材についてさらに実態調査を行う。可能であれば海外における教材や事例も調査していく計画である。
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Causes of Carryover |
今年度は、調査のための視察先が比較的近くの地域になったこと、他の出張と期間が重なったことなどにより、出張旅費の一部が未使用となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究のために行う資料収集や情報収集、および現地視察や学会発表の旅費として使用する計画である。
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