2016 Fiscal Year Research-status Report
放課後児童クラブにおける生活の場としての空間構成と音環境の改善手法の検討
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16K00754
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
鈴木 佐代 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (90409269)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 放課後児童クラブ / 学童保育 / 子ども / 音環境 / 吸音 / 生活行為 / 小空間 / 活動プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
放課後児童クラブでは、同一空間で多様な生活行為が行われることによる喧噪感が問題となっており、高学年児童や障害児の受け入れも考慮した、音環境整備や落ち着ける空間の確保が必要である。本研究は、留守家庭児童の第二の「生活の場」である放課後児童クラブ(学童保育所)を、落ち着いて生活できるような場所とするために、①ハード面の対策として、生活行為と音環境整備の双方を考慮した小空間形成による改善策の現地実施とその効果の検証を行い、さらに②ソフト面のアプローチとして、児童に対する「生活と音」活動プログラムの開発・実施・検証を行うことを目的としている。平成28年度は、以下の研究を実施した。 (1)児童が嫌がる音の周波数分析を行うため、普通騒音計(リオン NL-42)、オクターブ・1/3オクターブ実時間分析プログラム(リオンNX-42RT)等を購入し、学内で予備調査を行った。 (2)小空間形成による改善策の現地調査として、室内音環境や空間構成の改善が必要と思われるプレハブ造のワンルームタイプの放課後児童クラブを、福岡県内のクラブより1施設選定し、棚や敷物等で区切られた小空間を配置し、約3ヶ月毎に児童と指導員の生活行動と空間の使い方の観察調査、および指導員対象ヒアリング調査を行った。ワンルームのクラブ舎に小空間を配置した場合の生活行動および空間の使い方に関するデータを収集することができた。 (3)平成29年度に実施する児童向け活動プログラムの開発に向けて、活動プログラムの実践事例の視察を行った。 (4)平成29年度に実施予定の「生活と音」活動プログラムの開発に着手した。吸音ファブリックパネルを制作する内容を含む、音のひびきを考える活動プログラムを企画し、検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度実施予定の、小空間形成による改善策の現地調査、および児童向け活動プログラムの実践事例の視察は実施済である。平成28年度に実施できなかった調査項目(児童が嫌がる音の周波数分析)もあるが、平成29年度に実施予定の「生活と音」の活動プログラムの開発に着手したことから、全体としてはおおむね順調であると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、以下の調査研究を行う。 (1)小空間形成による改善策の検討については、平成28年度に実施した現地調査から得られたデータの分析を行い、小空間を配置したことによる児童の生活行動や保育との関連性を考察する。 (2)児童が嫌がる音の周波数分析については、既往研究で明らかとなった、児童(健常児、発達障害児)が嫌がる音の周波数分析を行い、音環境改善のための基礎的資料を得る。 (3)「生活と音」活動プログラムの開発・実施・検証については、平成28年度に考案した活動プログラムを放課後児童クラブで実施し、その効果を検証する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたのは、吸音用カーテンを用いた音環境改善策から、吸音ファブリックパネルを用いた改善策に変更し、平成29年度に実施することとしたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は、吸音ファブリックパネルを用いた音環境改善策の現地調査、および「生活と音」活動プログラムの開発・検証のための物品費(吸音用ファブリックパネル材料一式、活動プログラム用タブレット端末等)や調査旅費に使用する。
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