2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K00755
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
財津 庸子 大分大学, 教育学部, 教授 (70325695)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2020-03-31
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Keywords | 消費者市民教育 / 消費者教育推進 / 地域連携 / 教材開発 / エシカル消費 / SDGs |
Outline of Annual Research Achievements |
追加採択のため研究計画を変更し、これまで連携実績のあるNPOと連携したプログラムの実施を先行させ、昨年度は予定以上にプログラムを実施することができた。今年度は、実施したプログラムについて省察し、改善の方策を検討することを主たる研究内容とした。実施したプログラムは、ナビゲーターとして養成する対象である大学生が主体的にプログラムを計画・実施するものであった。連携先は環境活動に関わるNPO、児童館における学童保育、フェアトレードショップにおける海外NPOとの交流というものであり、学生たちのふりかえりレポート等からは乳幼児から小学生、その保護者とかかわる中で多くのことを学びとっている様子がみられた。しかしながら、自身の力量不足による課題もあげられていた。対象者理解や方法論・実践力の不足等である。 また昨年度は中高生とかかわる機会がなかったため、乳幼児期から社会人若年層まで切れ目のない消費者教育プログラムを構想するには、中高生の実態把握が不足していた。さらに、プログラムを運営するにあたり、連携のあり方についての検討も必要であることを実感した。よって昨年度の課題から、今年度は消費者教育の対象者理解、とくに中高生の生活や消費者意識に関する情報収集、方法論および連携のあり方に関する検討を行った。 具体的には、日本家庭科教育学会による高校生および社会人の生活実態についての全国調査(昨年度発表)について論文として吟味・整理することを通して、理解を深めることができた。方法論としては昨年度、研修に参加したアクティブラーニングの手法を中学校家庭科の教育内容や大学生が主体的にエシカル調査を実施する等の試みに活用し、反応をみることができた。連携のあり方による成否もあることが認められたため、成功事例についての聞き取り調査を実施した。これらより、構想中のプログラムに活かす要素を見出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
そもそもの原因として採択時期の遅れによる計画変更の影響が大きく、プログラムを先行して実施したことにより、その省察に基づく改善策を取り入れたプログラムとするため、当初予定していた海外の成功事例の調査先の変更を余儀なくされた。実施後の課題に対応するための新たな調査対象を見出したものの、日程調整が難しく実施できなかった。よって、国内の成功事例についての聞き取り調査を行い、プログラムの作成・運営・実施等にかかわる成功要因について検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度、プログラム実施によって見出された課題は若年層(本研究でナビゲーターとして想定している大学生)自身の力量形成(とくに対象者理解と方法論・実践力の獲得)と考えている。若年層が精力的にエシカル行動に参画している先進事例について調査し、プログラムに活かしたいと考えている。また、今年度の国内の成功事例における成功要因についても検討し、可能な限りプログラム自体にも連携等の運営においても反映させていきたいと考えている。これらの結果をふまえて、消費者教育推進ナビゲータープログラムを策定し、提案していきたい。
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Causes of Carryover |
先方との日程調整が困難で海外調査が実施できなかったため。海外調査は次年度に先送りにした。
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Research Products
(10 results)