2019 Fiscal Year Annual Research Report
Parenting dysfunction in homes: Focusing on the recognition gap between parents and children about the childcare environment
Project/Area Number |
16K00761
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare |
Principal Investigator |
岡野 雅子 東京福祉大学, 保育児童学部, 教授 (10185457)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 養育機能 / 保育環境 / 親子 / 叱る / 叱られる / 虐待防止 / 親であること |
Outline of Annual Research Achievements |
家庭の養育機能は低下していると近年指摘されているが、保育環境を整えることは重要である。育てる側から見た望ましい保育環境は、育てられる側から見た時に適切なものであるのだろうか。そこで、具体的な場面として「叱る」「叱られる」を取り上げて、子どもの認識と親の認識のズレについて資料収集を行ったところ、叱り方・叱られ方は「暴力的」「威圧的」「無視」に大別され、叱られる側の子どもの「嫌だった」思いは、成長後に概して「良い思い出」に好転していた。「威圧的」な叱られ方は良い方向への変化が大きいが、「暴力的」な叱られ方は変化が小さいことが明らかとなった。 不適切なかかわり(児童虐待)をする親に対する認識について、子育て(母親)群と子育て未経験(学生)群の比較の結果から、虐待をしてしまう要因について「夫や家族の協力が得られないから」「しつけの仕方が分からないから」「身近に相談できる人がいないから」を肯定する割合は母親群も学生群も高いが、「大いに当てはまる」「当てはまる」の回答は学生群は9割弱に対して母親群は6割であった。したがって、学生は虐待の理由について明快に回答するが、母親は必ずしもそうは言いきれないという認識であり、複雑な心情が窺えた。 母親自身の「叱られた」「叱る」と児童虐待に対する認識の関連を探ったところ、多くの母親にとっては虐待を行う親に対して“わがこと”としての認識は乏しく、自身の「叱られる」「叱る」と虐待を行う親についての認識の間には関連は見いだせなかった。
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