2018 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of in vitro methods for predicting chemical leukoderma caused by whitening agents in cosmetics.
Project/Area Number |
16K00766
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
前田 憲寿 東京工科大学, 応用生物学部, 教授 (50454137)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 美白 / 白斑 / 皮膚内濃度 / ヒドロキシラジカル |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度(平成30年度)は皮膚内推定濃度の測定を行った。皮膚内推定濃度は、被験物質のオクタノール/水分配係数(Ko/w)を測定して、Potts & Guyの皮膚透過係数予測式より皮膚透過係数を求め、皮膚を用いて拡散セルでin vitro皮膚透過速度を測定してFickの拡散第1法則より、1.5cm2暴露での皮膚透過量を計算して、その値を皮膚湿重量で割って皮膚内濃度を推定する方法で行った。皮膚透過速度の測定はフランツ型拡散セルに皮膚を装着し、被験物質を含む化粧水15μLを表皮側(1.5cm2)に塗布した。レシーバー相をマグネットスターラーで撹拌し、20分毎に2時間まで100μLずつサンプリングした。サンプルは-30℃で保管し、後日、レシーバー相の被験物質の濃度をHPLCで測定した。皮膚流動分中の薬剤の算出濃度(μmol/L)は、マグノリグナン0.5%配合化粧水、ロドデンドロール2%配合化粧水、ルシノール0.3%配合化粧水、アルブチン7%配合化粧水、4-メトキシサリチル酸カリウム塩3%配合化粧水の順に多かった。 平成28年度と平成29年度の研究結果と最終年度(平成30年度)の研究結果より、ロドデンドロールとマグノリグナンの「細胞毒性濃度/皮膚内推定濃度」の値は小さく、細胞毒性を示す最小濃度をはるかに上回る量が皮膚に存在することになり、また、その皮膚内推定濃度でヒドロキシラジカル(・OH)の発生は強く、もし肌が白くなっても、それはメラノサイトに対する毒性によるものであることが推測された。一方、ルシノールやアルブチン、4-メトキシサリチル酸カリウム塩の「細胞毒性濃度/皮膚内推定濃度」の値は大きく、皮膚内推定濃度で色素細胞に対する毒性がなく、また、その皮膚内推定濃度でヒドロキシラジカル(・OH)の発生は強くなく、白斑の危険性はないといえる。
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