2019 Fiscal Year Annual Research Report
Construction a practical model of educational support program in Low income Households that improves family communication
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16K00769
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
三沢 徳枝 佛教大学, 教育学部, 准教授 (20563761)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アドボカシー / 連携 / レジリエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、生活困窮世帯の子どもと家族のコミュニケーションを促進し、子どもの自立を支援する学習支援の実践モデルを構築することである。2018年度から引き続き学習支援の支援者を対象とする調査を行い、さらに、子どもや保護者が学習支援に参加し、どう変容したのかを学習支援を担う支援者の視点から評価し明らかにした。 貧困による多様な困難を抱える子どもへの学習支援では、子どもの環境に働きかける支援を重層的にかつ子どもや保護者との合意形成と情報共有を図りながら展開する必要があり、教育と福祉の多様な機関の多職種間の連携という課題があることが分かった。また学習支援に参加した子どもの振り返りを分析することによって、子どもの視点から学習支援の支援方法と内容及び成果を明らかにした。 実践モデルは学習支援の実践に動機と方向性を与え、具体的に導く実践理論が必要である。2019年度は、これらの結果を踏まえて学習支援の実践モデル化のためにUngarのレジリエンスの理論から実践モデルを検討した。 本研究の学習支援の実践モデルは、子どものニーズを充足し環境の改変を図り、関係機関との交渉を多様な主体の協働により行い、子どもの声を反映するように参画を促進し、このプロセスを通してアドボカシー機能を果たす活動である。学習支援では子どもの生活課題を児童家庭福祉の専門職とともに地域の多様な人材である支援者を介して外在化し、社会の問題として社会化して当事者のニーズを充足させることによる成果を示す。それにより現行の学習支援サービスが現状で未だ充足していないことによる新たな社会的対応を実現する有効な方法を示す可能性が考えられた。
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