2017 Fiscal Year Research-status Report
知的障碍児童・生徒の体温および衣服調節に関する研究
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16K00778
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
前田 亜紀子 群馬大学, 教育学部, 准教授 (00286692)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 温熱刺激 / 手部 / 放射式 / 伝導式 / 小学生 / 大学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
やけどや熱中症を予防するためには、温熱刺激に適切に応答できることが重要である。知的障碍児の温度刺激に対する応答を捉えることを目的とし、これに先立って、標準値を得るため、健康な小学生と大学生を被験者として実験を行った。被験者は小学生34名(男子17名、女子17名、11.5±0.5歳、小学校6年生)、大学生64名(男子6名、女子58名、20.1±0.9歳)であった。装置は放射式1種、伝導式2種を用いた。前者は白熱電球(95W)を用いて自作した。後者はインタークロス製、intercross-230(以下i-230)およびintercross-200(以下i-200)であり、共にペルチエ素子による。i-230の温度変化速度は0.5℃/s、温熱刺激は30℃から漸増または35℃から漸減する。i-200の温度刺激は、被験者の皮膚温が平衡に達した後、温熱刺激がスタートする。変化速度は3種条件(0.1℃、0.3、0.5℃/s)から選択した。測定対象部位は、放射式では右側手掌および手背とした。伝導式では、左右の手の拇指球とした。放射式装置では、測定部位に関わらず、大学生が小学生より有意に感度が高かった(p<0.001)。知的障碍児においては、小学生より温熱刺激に対する応答性が低いことが予想される。伝導式(i-200)装置による結果、3種変化速度条件下における、温および冷刺激時に変化を感じた時の温度には、小学生・大学生との間に統計的有意差が認められなかったことから、今後、知的障碍児童・生徒を被験者とする実験では、変化速度0.5℃/sの1条件での実施が有効であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
群馬大学教育学部附属小学校児童および群馬大学大学生の協力が得られ、被験者実をが実施することができた。また、伝導式(接触)の測定装置について、所有機材とは異なる設定条件が可能な測定機種を、近隣大学から借用できた。これにより、熱流速速度の違いについて比較が可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
知的障碍児における温熱刺激実験を計画する。群馬大学教育学部附属特別支援学校等における児童・生徒の協力、理解が得られるよう交渉する。小学生と知的障碍児童・生徒との比較が行えるよう測定手法の検討を行う。
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Causes of Carryover |
放射式測定機材を安価な材料で自作できたこと。また伝導式測定装置を所有している近隣大学から無料で借用できたことによる。
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