2018 Fiscal Year Annual Research Report
The maintenance and the succession of the traditional wooden house by residents and local inhabitants
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16K00785
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
藤平 眞紀子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (90346304)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 伝統的木造住宅 / 空き家管理 / 住み手 / 地域住民 / シルバー人材センター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の調査対象地域(T街道付近)では、住み手の高齢化の進行、同居家族の減少、さらに空き家の増加などから、従来のような住み手自身による住まいの維持管理が行われにくくなっている。一方で、約10年前に始まった住民による町づくり活動により、住み手の町並みへの意識は高まりつつある。そこで、地域住民を主体とした、住み手と地域による伝統的木造住宅の維持管理と継承について、その可能性を探り、今後のあり方を考察することを本研究の目的として、平成30年度は以下の検討を行った。 調査対象地域における住民による地域住民を主体とした空き家管理を考察する中で、地域に根ざした活動を行っているシルバー人材センターに着目した。昨年度は奈良県内のシルバー人材センターを対象としたが、空き家の実態や行政の対応などが地域によって異なることから、全国のシルバー人材センターを対象として、センターの特徴に応じた空き家管理ついて検討した。全国のシルバー人材センター1328件に空き家の維持管理に関するアンケートを郵送し、720件より有効回答を得た。センターの会員数は平均575名であり、会員の平均年齢は72.4歳であった。現在、空き家の管理を行っているセンターは265件であり、会員数が比較的多く、会員への研修会や講演会の開催、地域包括支援センターや商工会と連携しているセンターが多かった。また、現在の空き家管理への関与状況にかかわらず、今後、多くのセンターでは空き家管理に関わっていく可能性がみられた。そして、空き家管理を行う担い手の確保や育成、空き家管理の標準化・マニュアル化、空き家所有者への情報提供などが求められ、シルバー人材センターと行政や地域の住民組織、工務店などとの連携が必要であることが明らかとなった。なお、センターの活動地域の状況と空き家管理の実施状況や管理内容などとの関連も検討したが、明確な傾向はみられなかった。
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Research Products
(1 results)