2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K00787
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| Research Institution | Kyoto Prefectural University |
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Principal Investigator |
檜谷 美恵子 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (60238318)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 高齢者 / 共同住宅 / 団地 / 共用空間 / フランス / 社会住宅 / 公営住宅 / 韓国 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
日本の高齢者居住の動向に関しては、昨年度聞き取り調査を実施した高経年団地（T団地）を対象に、高齢居住者からの要望が高かったバリアフリー改修にフォーカスし、問題解決方法に関する高齢者の意向を調査した。また団地居住者や専門家の協力を得つつ、複数の問題解決シナリオ（エレベーター（EV）設置案、福祉機器導入案、住戸交換等機器設備の導入を伴わない改善案等）を作成し、ワークショップによる討議を企画、実施した。また、討議の結果、複数シナリオのなかで、階段室踊り場接続型ＥＶ設置案が最も支持を得たことを踏まえ、その理由を考察した。他方、公営住宅における高齢居住者の動向に関しては、神戸市および兵庫県の復興公営住宅団地を対象に、共用空間の使われ方について聞き取り調査を行ない、入居者の加齢や転出入に伴い、居住者の交流機会、共用空間の利用機会が減少している等の実態を把握した。公営住宅については、高齢者が集中することに伴う課題が顕在していることから、公営住宅の今後のあり方について考察し、論説としてまとめた。
韓国の高齢者居住に関しては、昨年度実施した調査で得た資料の分析に着手した。近年供給されている高層マンションの敬老堂事例と、高経年団地におけるそれとを比較し、設備や利用形態に差があることを把握した。また、共同住宅団地に併設される「敬老堂」に関しては韓国で多数関連する既往研究が存在することを把握したので、それらを参考に調査事例を位置づけることとした。フランスについては、社会住宅団地における高齢者居住の取り組みをレビューし、多世代居住の実践事例を把握した。また、高齢者の居宅に学生が間借りするソリデール事業について、概要を把握した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画に沿って、今年度は主として日本における事例調査をすすめた。複数の住棟から構成される高経年団地（T団地）でのワークショップにより、高齢期特有の課題である身体機能の虚弱化に対して、バリアフリーが達成されていない共同住宅がもつ課題を、区分所有者による共同管理により解決する可能性を多角的に探ることができた。また、複数の公営住宅団地を視察し、共用空間の使い方等について実態を把握した。他方、昨年から積み残しているフランス、韓国については、これまでに収集した資料の整理・分析に終始し、現地調査は実現できなかった。
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| Strategy for Future Research Activity |
これまでの文献調査、フィールド調査で得られた知見をもとに、韓国における事例調査を行う。またフランスでの実態調査を計画、実施する。日本については、高経年団地で連続して実施した2年にわたる調査結果を分析、整理する。また、以上の成果をとりまとめ、学会等で発表する。
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| Causes of Carryover |
日程の確保が困難になったため、韓国、フランスで予定していた現地調査が実施できず、旅費（海外渡航）にかかる経費に大きな齟齬が生じた。先送りしてきた現地調査については、今年度、これを計画通り実施する予定である。
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