2018 Fiscal Year Annual Research Report
Digital archives for preservation of the paper patterns in Sendai and inheritance of their dyed patterns
Project/Area Number |
16K00791
|
Research Institution | Tohoku Seikatsu Bunka College |
Principal Investigator |
川又 勝子 東北生活文化大学, 家政学部, 准教授 (50347910)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 地域文化研究 / 伝統工芸 / 染色 / 型紙 / 電子保存 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、かつて仙台地方において染色されたこの地方特有の型染めである常盤紺形染と注染染物(手拭・浴衣)についての調査と、それらの染色に用いられた型紙の電子保存を行なっている。 本研究期間中に、注染型紙186枚の調査と電子保存を行うことができた。調査としては、①資料の状態記録、②資料計測、③文様等の型紙形態の分類を行なったところ、型紙寸法と文様から、本研究期間中に調査した型紙の98%が手拭を染色するために用いられた型紙であり、主に北海道の顧客から発注されたものであることが示された。型紙文様の電子保存には、パソコン制御の非接触式イメージスキャナを用いた。文様の破損箇所については、汎用フォトレタッチソフトを用いて電子的に補修したが、折れ曲り箇所の補修や、細部欠損箇所の補完など、軽微な補修にとどめた。これらの電子保存型紙文様の一部を『仙台型染資料集XIII』としてまとめた。 工芸染色技術の発展へと繋げるために、型紙文様の電子保存データを活用した型紙作成方法についても検討しており、レーザー加工機と小型カッティングプロッターのそれぞれの適正加工条件について検討し、代表的な型紙文様の一部を作成することができた。 さらに、新たな常盤紺形染の調査の一環として、東北生活文化大学所蔵の藍型染め古布についての調査を行ったところ、常盤紺形染の特徴を有するものが19組見られた。他地域で生産されたものである可能性も考慮しながら、他地域で収集された藍型染め古布との比較調査を進めることが今後の課題である。 一方で、公的機関所蔵の小紋染型紙745枚の二次資料による調査(文様の彫幅・送り計測、組型の抽出等)と型紙文様の電子保存を行うこともできた。 また、仙台地方の伝統染色を題材とした教育プログラムについても検討し、大学の授業や、高校生対象の授業に展開することができた。
|
Research Products
(5 results)