2016 Fiscal Year Research-status Report
空中カビと室内塵(ダスト)の相関性、および季節変動の解析
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16K00793
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
村松 芳多子 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (40320709)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 塵(ダスト) / カビ / 生活環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
室内のカビの経年変化、月別変化、およびカビ属の分布を25年に渡り調査してきた。そして、最近では4年間地域別(太平洋側と日本海側地域)の室内・室外のカビの経年変化、月別変化、およびカビ属の分布等を調査した。また、一般家庭におけるカビ被害の実態調査と、健康意識調査に関する研究を実施した。様々な継続的な調査結果から、室内カビの挙動は、室内塵(ダスト)に関係があるのではないかと推察し、室内塵(ダスト)と室内空気カビの関係を明確にするために、カビ汚染度の測定方法、および室内塵(ダスト)の採取方法の検討を試みることにした。本年度は、予備調査のため3~4種類(落下法とエアーサンプラー法(AS法)に加え、迅速測定可能なパーティクルカウンター法(PC法)、微生物センサ法)の測定方法をできる限り、一定住宅において実施した。室内塵(掃除機内のダスト)は、月に1回採取し検出カビの分離・同定を試みた。 採取住宅は、2住宅3カ所に限定することにした。その理由として、協力住宅を募ったが住宅内ダスト提供に対して、プライバシーの点(プライバシーの観点より、室内塵のカビ分析に関しては、研究者本人が実施するのではなく、第三者機関に依頼する旨を伝え、協力者を募った)で協力の同意を得られなかったためである。そのため、室内塵の提供をいただける住居が少なく限定されてしまったことにある。試料採取方法については、今後の課題である。協力の得られた3カ所の5ヶ月間の調査により、室内塵(ダスト)1gあたり10の5乗個前後のカビが検出された。3カ所の主な検出カビはCladosporium、Penicilliumであった。現時点では、測定箇所による検出カビの特異性は確認できていない。今後の継続的な研究結果に期待したい。他の測定方法との関係性については、検出カビにおいては類似傾向がみられるが、統計的に有意な相関には至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね、研究計画の通り進行中である。しかし、生菌と死菌の区別の研究精査が低いことが課題とし残っている。
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Strategy for Future Research Activity |
カビや細菌を迅速検出する目的で、抗原検出法(微生物センサBM-300C, SHARP)の検出データの採取頻度を増やし、安定的な検体を確保する。そして生菌と死菌の区別し研究精度を高める。
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