2018 Fiscal Year Research-status Report
エジプト・コプトの染織品とインド更紗の制作年代および制作地の特定に関する研究
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16K00798
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
須藤 良子 大妻女子大学, 家政学部, 講師 (20573190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩永 悦子 福岡市美術館, 運営部, 学芸課長 (10590440)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | コプト / インド更紗 / 藍 / 放射性炭素年代測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度の研究実績として、国内調査を女子美術大学で実施した。約50点のコプトの染織品と40点のインド更紗(コプトの遺跡から発掘されたと考えられている作品)の調査を終えた。またこれらのインド更紗のうち8点については、放射性炭素年代測定(AMS-14C法)を実施し、各作品の制作年代を検討した。その結果、それぞれ15世紀が6点、13-14世紀が1点、8世紀が1点の3群に分類できるような結果が出た。8世紀と制作の可能性が指摘された作品は、藍で染色された作品であり、染料の影響を慎重に評価する必要があるが、相当量の染料成分が残留しないと年代をずらすことは難しいので、8世紀頃に制作された作品と考えることができる。 本調査の結果はイギリス・オックスフォード大学アシュモリアン博物館が永年行ってきたコプトの染織品に含まれるインド更紗の制作年代に関する研究に照らし合わせても、妥当な結果と考えられる。 平成29年度の調査研究の成果として『大妻女子大学家政系研究紀要』第55号に「Report on Coptic Textiles in the Collection of Ashmolean Museum」を発表した。また放射性炭素年代測定の結果を踏まえた報告は、『月刊 考古学ジャーナル』No.725,2019に「エジプト・コプトの染織品とインド更紗の制作年代および制作地の特定に関する研究」として2019年5月に発表した。今後はコプトの染織品と日本のコレクターとの関係について『文化資源学』への投稿を考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、国外3か所、国内1か所の作人調査を実施し、今年度は研究概要にもあるように、放射性炭素年代測定も実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の進め方として、研究内容と研究結果に関わる論文を発表する予定である。
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Causes of Carryover |
研究成果の公開のために、投稿論文の投稿料、投稿論文の翻訳料などが生じたため、次年度に使用する予算が発生したため。
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Research Products
(1 results)