2016 Fiscal Year Research-status Report
個人差を考慮した省エネで快適な室内温熱環境調節に関する研究
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16K00804
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
佐々 尚美 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (50379525)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 省エネルギー / 冷暖房器具 / 快適感 / 個人差 / 温熱環境 / 実測調査 / アンケート調査 / 住まい方 |
Outline of Annual Research Achievements |
冷暖房器具の使用状況などに関するアンケート調査を2016年9~10月に91名の女子大生を対象に実施した。実測調査は2016年8~9月に12名の、2017年2月に9名の女子大生を対象に人体周囲温及び生活行動、冷暖房器具使用状況、主観申告などを測定した。1日目(冬期は2日間)は普段通りの生活を、その後2日間省エネを心がけた生活を送ってもらった。 アンケート調査では、夏期は9割弱がエアコンと扇風機の併用使用であった。扇風機は約8割が「暑いと感じたらすぐ」使用し、「弱」や「微」と設定する割合が9割弱と高かった。クーラーは約5割が「暑いと感じたらすぐ」使用するが、約3割は「限界まで我慢する」とし、25℃~28℃の範囲に設定する割合が約9割と高かったが、23℃の低温に設定する者も見られた。いずれも毎日使用が多かった。エアコン使用時は「電気代」「乾燥」「体が冷えすぎる」が、扇風機使用時は「風が一部しかあたらない」「部屋が涼しくならない」「風が直接あたる」を問題とする割合が高く、異なる傾向を示した。暖房器具の使用は、エアコンが最も多く、次いでファンヒーター、電気ストーブの順に多く、いずれも「寒いと感じたらすぐ」使用する割合が高かった。暖房器具に求める性能は「すぐ暖かくなる」や「室内全体が暖かくなる」などが多く、局所暖房器具は前者を、エアコンは後者を選んだ理由として挙げており、「省エネ性」はあまり重視されていなかった。 実測調査では、普段通りは夏期は睡眠以外の在宅時はエアコンは0~10割、扇風機は0~約8割の間使用しており、人体周囲温は約27~33℃の範囲であり、個人差が大きかった。冬期は、約3~9割の間使用しており、様々な局所暖房器具を使用する事が多かった。省エネを心がけると設定温度を高めにする者、使用時間を減らす者など各々での工夫が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定より人数は少なくなったが、当初の予定通りアンケート調査および実測調査を実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られたデータの検討を更に深め、当初の予定通り、アンケート調査および実測調査、人工気候室実験を行う。
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Causes of Carryover |
効率良く調査を実施できたことと、調査対象者が当初の予定より少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査対象を増やし、小型温湿度計などを購入して測定環境を充実させることに使用する予定である。
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