2017 Fiscal Year Research-status Report
個人差を考慮した省エネで快適な室内温熱環境調節に関する研究
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16K00804
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
佐々 尚美 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (50379525)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 省エネルギー / 冷暖房器具 / 快適感 / 個人差 / 温熱環境 / 実測調査 / 人工気候室実験 / 住まい方 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年7~9月に人工気候室実験および実測調査を健康な女子大学生8名に実施した。人工気候室実験では、気温32℃、相対湿度50%に設定した人工気候室に入室後、省エネを考慮しつつ快適になる様に、気温と気流を60分間調整し、心理生理反応を測定した。最終的に気温は27.7℃~30.9℃の範囲に調整し、風速は扇風機を使用した場合は0.24~0.81m/sとなった。この気温と扇風機の使用有無を各被験者に開示し、実測調査において普段通りの生活と、周囲気温を気にしながら省エネを心がけた生活を各々2日間を送ってもらい、生活行動及び冷房器具使用状況、省エネ行動の取り組みの評価、人体周囲温等を測定した。半数がこれまでに室温を気にしていなかったが、測定中は7名が「努力すれば」「容易に」でき、今後も同様にできるとした。クーラーを使用した者の使用時間は省エネを心がけた方が短くなる傾向を示した。省エネに繋がる取り組みへの意欲及び実施度の自己評価(100点満点)も省エネを意識すると高く、実測終了後の今後の取り組みへの意欲も同じか10~35点高くなった。 2018年2~3月に人工気候室実験を健康な女子大学生11名に実施した。暖房器具はファンヒーター及びカーボンヒーターを用い、いずれも縦向きあるいは横向きの2条件とし、更に気温のみ調節するエアコン条件の合計5条件実施した。設定はファンヒーターは弱、カーボンヒーターは省エネモードとした。前室は気温24℃、相対湿度50%とし、気温15℃、相対湿度50%に設定した人工気候室に入室後は、暖房器具条件の場合は運転を停止し、以後、快適になる様に、10分おきに暖房器具の距離を自由に移動させながら、心理生理反応を測定した。入室10分後はファンヒーター縦が最も快適となった。60分後は、ファンヒーター縦が全身温冷感は最も暖かい側であったが、カーボンヒーター縦が最も快適となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定より人数は少なくなったが、予定どおり実験を実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られたデータの検討を更に深め、被験者人数を増やして、予定通りアンケート調査および実験室実験を実施し、実空間での検証を行う。
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Causes of Carryover |
理由:調査対象者が当初の予定より少なったかった為。 計画:調査対象者を増やし、その為の測定やデータ検討の環境を充実させることに使用する予定である。
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