2019 Fiscal Year Annual Research Report
The Study on indoor thermal environmental regulation for thermal comfort and energy-saving in consideration of individual variation
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16K00804
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
佐々 尚美 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (50379525)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 省エネルギー / 冷暖房器具 / 快適感 / 個人差 / 温熱環境 / 人工気候室実験 / 実測調査 / 住まい方 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年8~9月に健康な女子大学生11名に人工気候室実験を実施した。気温30℃、相対湿度50%に設定した人工気候室に入室後、スポット扇風機を用いて風をあてる部位を胸(扇風機の中心を床上高さ80cm・前面から)および脛(同様に床上高さ30cm・前面から)、上腕(同様に床上高さ80cm・横から)の3条件と、扇風機の高さと被験者からの距離を10分置きに自由に変更する条件を実施した。4条件とも、風の強さは10分置きに快適となる様に被験者自身が30分間調整し生理心理反応を測定した。30分後の胸と上腕にあてた場合の気流の上下分布は、平均して床上高さ60~100cmは約0.5 ~1m/s、脛にあてた場合の床上高さ10~40cmは約1~1.5m/sと、異なっていた。各部位の平均皮膚温は、脛にあてた場合の下腿は約1℃低下したが、全体的に大きな低下は認められなかった。各部位の温冷感は、頭部と躯幹部前面は胸と上腕にあてた時が最も涼しい側であり、同様に腕部は上腕に、脚部は脛にあてた時あった。自由調整条件では、風を前からが7名、横からが4名であり、前からは床上高さ10~40cmが、横からは床上高さ40~60cmの気流を速くする傾向を示し、風をあてる方向によりあてたい部位が異なっていた。4条件の中で暑さ軽減に関して、全身が冷えることなくできたのは自由調整が、上半身が冷えることなくできたのは脛にあてた時であり、下半身が冷えることなくできたのは評価が分かれた。 2020年2月に、気温15℃、相対湿度50%に設定した人工気候室に入室後、10分置きに30分間自由に暖房器具を移動する条件と、この30分後の暖房器具の位置から始め、10分置きに30分間自由に暖房器具を移動する条件の2条件を協力が得られた冷え症の女子大学生2名に実施した。実験中は生理心理反応を測定した。いずれも冷える部位の冷えは改善し快適であった。
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