2018 Fiscal Year Annual Research Report
Basic research on new cooking metod by using orhmic heating
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16K00808
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
酒井 昇 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (20134009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福岡 美香 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (10240318)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 通電加熱 / 肉の低温調理 / タンパク質変性 / ハンバーガー / 電気伝導度 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では従来法に代わる通電調理法の開発を目的として、調理実験および理論的な解析を行った。具体的には、以下の各食材について通電過程の実験とシミュレーションを行い、通電加熱時の温度不均一性およびタンパク質変性分布について検討した。なお、計算に必要なパラメータとして、28年度、29年度に測定した各食材の電気伝導度およびタンパク質変性速度定数を用いた。 1)ハンバーグ:29年度の研究において、ハンバーグを直径85㎜、高さ15㎜の円盤状に成形し、上下を電極で挟んで通電加熱実験を行った。周波数20kHzの電源を用いると十分加熱可能であるが、商用周波数50Hzの場合、電極の腐食が激しく、本条件ではハンバーグの加熱に商用周波数電源は向かないことが判明した。電源コストを考えると50Hzのほうが望ましいため、30年度に電極の腐食対策を検討した。具体的には、特殊セラミックをコーティングした電極を使用して通電加熱を行ったところ、電極の腐食なしに加熱できることわかった。 2)卵:全卵を通電加熱すると卵黄よりも卵白のほうが電気伝導度が高いため、均一には加熱されない。さらに卵黄を包んでいる卵黄膜は電気伝導度が低いため、より不均一化が起こる。30年度に全卵の通電加熱モデルを作成し、温度シミュレーションを行い、全卵の中で高温になる領域および加熱されない領域ができることを理論的に示した。 3)肉、魚などを加熱調理する場合、加熱しすぎると固くなり食感が悪くなる。この加熱しすぎを回避するために低温調理法が用いられている。お湯や蒸気を用いた従来の低温調理法の代わりに通電加熱を適用し、食材としてはビーフ(畜肉)とホタテ貝柱(水産物)を用いて、通電加熱の有用性について、理論的に明らかにした。
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Research Products
(5 results)