2017 Fiscal Year Research-status Report
和菓子の文様・色彩・形状に関する研究ー伝統の技と現代技術を融合した食文化教材ー
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16K00812
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
村上 陽子 静岡大学, 教育学部, 教授 (40284335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室伏 春樹 静岡大学, 教育学部, 講師 (30609293)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 和菓子 / 物性 / 干菓子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、和菓子の文様・色彩・形状について、研究を行うものである。その目的は、第一に和菓子の文様・色彩・形状の関連性を解明すること、第二に伝統の技と現代的技術の融合による食文化教材を作成し実践すること、第三に、これらにより、食文化の回帰と継承を目指すことである。本研究は、文化的なアプローチと科学的なアプローチを行うという点において新規性があるといえる。 本年度は、和菓子の文様・色彩・形状について体系的な分析を詳細に検討した。具体的な方法は、文献調査と菓子型の視察調査、菓子型を用いた市販和菓子の物理特性の分析、および、菓子型を用いた和菓子の作成と物理特性の検討を行った。文献調査においては、和菓子について、製法および水分量などの観点に基づき、生菓子・半生菓子・干菓子に分類し、それぞれの種類を細分化した。特に、菓子型について、流し型、押し型、抜き型など分類し、それぞれの和菓子における使用状況などを詳細に分析した。例えば、練り物(練り切り、練りようかん、こなし、求肥)、流し物(水羊羹、錦玉羹)、蒸し物(枠物)、押し物、打ち物(落雁)などある。これらのうち、練り物については、市販の和菓子について型を用いたものを購入し、型の作成を検討した。また、干菓子については、菓子型を用いて調製・作成し、物理特性を検討した。干菓子については、用いる材料によって物理特性や食嗜好性が異なることが明らかとなった。また、これらと並行して、3Dプリンタによる菓子型の作成を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は概ね、順調に研究が進んでいるため、これを下に研究を継続していく。 具体的には、これまでの文献調査により、和菓子の大分類(生菓子・半生菓子・干菓子)を経て、生菓子と干菓子について、菓子の種類、製法、形状、名称など、さまざまな視点から分類し、分析を終えている。 これらの成果については、家政学会や調理科学会などの全国大会にて口頭発表している(または発表予定)。 また、上記の結果をもとに、実際に各種和菓子を調製し、物理特性と食嗜好性についても順調に検討しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られた結果について、さらに分析を進めると共に、食文化教材の作成と検討を試みる。 具体的には、先述したように、これまでの文献調査により、和菓子の大分類(生菓子・半生菓子・干菓子)を経て、生菓子と干菓子について、菓子の種類、製法、形状、名称など、さまざまな視点から分類し、分析を終えている。 これらの成果をもととして、既に実際に各種和菓子(練り切りなど)をいくつか調製し、物理特性(かたさ、付着性、凝集性)と食嗜好性の研究についても着手している。 今後は、さらに別の種類の和菓子について、同様に分析を行うとともに、これに並行して菓子型の製造を行っていく予定である。 製造した菓子型については、さまざまな視点から作りやすさなどを検討していく。
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