2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of a new removing astringent method in astringent persimmon and elucidation of its mechanism
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16K00814
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
鶴永 陽子 島根大学, 学術研究院人間科学系, 教授 (60517051)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2020-03-31
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Keywords | カキ / ペースト / タンニン / 多糖類素材 / タンパク質素材 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度までの実験により、渋ガキペーストに各種多糖類を添加し、脱渋効果が高い多糖類、加熱(100℃40分、もしくは121℃20分)による復渋の抑制効果が高い多糖類を明らかにしてきた。2018年度は、まず、これまでに見いだした多糖類について、脱渋効果や加熱による復渋抑制効果が高いとの報告があるタンパク質素材のゼラチンやコラーゲンペプチドとの効果の比較を行った。その結果、脱渋効果については、ゼラチンやコラーゲンペプチドと同等の効果が認められた多糖類が複数あったが、加熱による復渋防止効果については、ゼラチンやコラーゲンペプチドより効果が高い多糖類を見いだすことはできなかった。しかしながら、ゼラチンやコラーゲンペプチドを添加したカキペーストは離水や褐変などの品質低下が認められたのに対し、多糖類を添加したペーストについては離水や褐変が少なくペーストの品質保持効果が優れていた。ゼラチンやコラーゲンペプチドの加熱による復渋防止効果と多糖類の品質保持効果を期待し、両者の併用について検討したところ、それぞれの単独使用よりも若干効果が劣っていた。ただ、タンパク質素材と多糖類素材の併用実験については単一の条件しか実験できておらず、添加の割合とタイミングなどの処理条件を更に検討することにより、ペーストの脱渋効果、復渋防止効果ならびに品質を向上させることができると考えている。次に、ペーストの流通を想定して、多糖類の添加で脱渋したカキペーストについて冷凍による影響を検討した。その結果、多糖類のカキペーストへの脱渋効果は冷凍貯蔵しても保持できることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度より所属学部が変更となり、研究を中断した時期があった。そのため、タンパク質素材と多糖類素材の併用実験については、詳細な研究が実施できていない。そのため、研究期間を2019年度までに延長し、当初に予定していた研究内容を遂行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、タンパク質素材と多糖類素材の併用による渋ガキの脱渋効果ならびに加熱による復渋効果について、実験の処理条件を増やして詳細な検討を行う。
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Causes of Carryover |
当初予定していた実験計画よりも実施が遅れた研究内容(タンパク質素材と多糖類素材の併用実験に)について次年度に遂行する予定であるため,次年度使用額が生じた。
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