2016 Fiscal Year Research-status Report
新規な方法で製造した低価格米粉を利用した食品の開発
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16K00820
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
田淵 真愉美 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (60389020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田 陽子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (70403318)
我如古 菜月 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (70508788)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 米粉 / 官能評価 / カレー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は米粉の需要拡大を目指し、これまでに我々が共同研究により開発した低価格米粉を用いて新規なカレーを開発することや安定した品質の米粉麺の製造方法を確立することを目的とする。大学生20名を対象に、米粉と小麦粉の配合割合を変えた5種類のカレールウ試料を作製し、7段階評点法による官能評価を行った。評価項目として、食べた直後の好ましさ、後味の好ましさ、香りの好ましさ、粘度および舌触り、色、光沢感の好ましさ、粘度の有無、総合評価などを設定した。官能評価の結果より、米粉と小麦粉を各50%配合した試料では、小麦粉100%の試料と比較して、食べた直後の好ましさ、香りの好ましさの項目において有意に高い評価であった。また、粘度および舌触り、後味、色、光沢感の好ましさ、総合評価において高い評価であり、5種類の試料の中で最も良好な評価が得られた。粘度の有無については、米粉25%小麦粉75%および米粉75%小麦粉25%配合の2種類の試料において、小麦粉100%の試料よりも有意に高値であったことから、米粉を使用することで粘度は増し、食感に影響を及ぼすことが推測された。米粉100%の試料では小麦粉100%の試料と比較して、食べた直後の好ましさ、後味の好ましさ、粘度の好ましさ、舌触りの好ましさ、総合評価において有意に評価が低かったことから、米粉の配合割合はカレーの嗜好性を左右する要因であることが明らかとなった。本研究の結果から、小麦粉の半量を米粉に置き換えることで従来の小麦粉のみのカレールウよりも好ましい食味や食感が得られ、カレールウにおける米粉の優位性を見出すことができた。今後は米粉カレーのさらなる嗜好性の向上のために粘度測定を行い、客観的な検討を行う必要があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
官能評価の実施により、小麦粉の代わりに米粉を用いたカレールウの優位性を見出すことができたため研究目的は一部達成できたが、官能評価の実施までの材料配合割合の検討やルウの品質安定化に予定よりも時間がかかったため、粘度計による粘度測定の実施まで至らなかった。米粉麺の物性測定の結果についても現在検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は粘度計を用いた米粉カレールウの粘度測定を行い、これまでに得られた官能評価の結果との関連性について分析を行い、当該ルウの嗜好性について客観的な評価を行う。米粉麺については、研究分担者と協力しながら物性の解明を行う。併せて官能評価も実施し、安定した品質の米粉麺の製造方法の確立を目指す。
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Causes of Carryover |
予定していた米粉カレーの粘度測定と米粉麺の物性測定の検討が遅れたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
米粉カレーの粘度測定と米粉麺の物性測定の検討のための材料および試薬の購入を予定している。
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