2018 Fiscal Year Annual Research Report
The effects of egg yolk on the microstructure and rheological characteristics of gel-like foods formed by thermocoagulation of egg white
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16K00821
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
杉山 寿美 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (10300419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 知未 広島女学院大学, 人間生活学部, 講師 (90735945)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 卵 / レオロジー / プディング / 脂肪 / リン脂質リン / オボアルブミン / LDL |
Outline of Annual Research Achievements |
卵は,卵黄が有する乳化性と卵白及び卵黄たんぱく質が有する熱凝固性から,多くの食品のレオロジー特性を決定している。30年度は,牛乳配合温度が異なるプディングを試料として,卵白たんぱく質の構造構築への卵黄の影響について,冷却遠心分離による脂質分画とTG量,PL-Pi量の定量,β-MeあるいはUrea処理したSDS-PAGEから検討した。なお,29年度までにより,牛乳配合温度が高いプデイングほど硬く,崩れにくく,きめ細かいことを確認している。 プディング液の脂質分画の結果,TGは牛乳配合温度に関わらず上層に多く分画された一方,PL-Piは牛乳配合温度が高いほど上層に多く分画された。このTGとPL-Piが異なる画分への分画と,PL-Piの上層への分画は,卵黄LDLの表面たんぱく質の変性によるLDLの構造変化の結果と考えられた。 プディングの脂質分画では,TGは上層に分画されにくくなったが,牛乳配合温度が高くなるほど上層に多く分画された。また,PL-Piは8000rpmでは上層に,16000rpmでは下層に多く分画され,また,牛乳配合温度が高くなるほど,上層に多く分画された。PL-Piはリン脂質の構成成分であり,たんぱく質とも脂質とも親和性を有することから,焼成によって,卵白たんぱく質との結合が優位になるものの,牛乳配合温度が高い場合はその結合が緩やかになることが示された。 プディングのSDS-PAGEでは,オボアルブミンのバンドがβ-Me処理で濃く観察され,Urea処理ではほぼ認められず,また,β-Me処理で認められたオボアルブミンのバンドの濃度は牛乳配合温度が高いほど低くなった。 以上より,牛乳配合温度が高い場合は,卵黄LDLの表面たんぱく質の熱変性により,卵白たんぱく質との相互作用が抑制され,結果,卵白たんぱく質同間の構造構築が十分となり,テクスチャーに影響することが示された。
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Research Products
(1 results)