2016 Fiscal Year Research-status Report
トマト・アレルギー:抗原感作から発症、治癒に至るメカニズムの解明
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16K00831
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
犬尾 千聡 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (30586780)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | トマトアレルギー / 末梢血好塩基球活性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、2つの臨床的評価と1つの予備実験を施行した。 【評価方法】抗原特異的IgE,IgG4:サーモフィッシャーダイアグノスティックス株式会社にて検査を行った。末梢血好塩基球活性化:患者血液をヘパリンナトリウム入りスピッツに採取する。抗原10 μL (10μg/mL)と血液10 μLを 37℃恒温槽で15分反応させ、活性化マーカーCD203cを指標にフローサイトメータで得られた結果を解析した。 【評価1】トマトアレルギーの診断に対する末梢血好塩基球活性化の有用性を検討した。トマト抗原特異的IgEが陽性26例の血液データを解析した。6人はトマト摂取時に症状があり、20人はトマト摂取しても症状がない”感作のみ”の非トマトアレルギー患者だった。トマト特異的IgEは両群で差がなかった。同時に検討したトマト抗原に対する末梢血好塩基球活性化はトマトアレルギー患者で高い傾向が見られた。 【評価2】スギ花粉症患者12名の血液をスギ花粉飛散前、飛散中、飛散後にスギ・トマト特異的IgE、IgG4、末梢血好塩基球活性化を評価した。飛散後に特異的IgEが陽性となるパラメーターが同定できなかった。 【予備実験】まず、スギ、ダニ抗原を用いた予備実験を行った。スギ、ダニ免疫療法治療前後の患者血清を用い、IgE結合能を不活性化するために56度で30分間処理する。スギ、ダニ抗原(10μg/mL) 5μLと患者血清5μLを混和し、スギ、ダニアレルギー患者血液と共に末梢血好塩基球活性化検査を行った。治療後の血清を加えることで末梢血好塩基球活性化が低下することが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体の3分の2となる検討項目に着手できているが、残りの3分の1である末梢血好塩基球活性化が予備実験のみでトマト抗原について検討できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに、トマトアレルゲンに陽性の患者血液を採取し、末梢血好塩基球活性化を行う予定である。トマト抗原について治療前後の血清で末梢血好塩基球活性化抑制が可能かどうかを検討する。
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Causes of Carryover |
実験を行いそれによる検体を外部機関に提出する予定だったが、年度内に実験が終わらなかったため、費用に差異が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度終了できなかった実験を次年度繰越で行う。
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