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2016 Fiscal Year Research-status Report

においによる嚥下食の嗜好性の検証

Research Project

Project/Area Number 16K00832
Research InstitutionDoshisha Women's College of Liberal Arts

Principal Investigator

真部 真里子  同志社女子大学, 生活科学部, 教授 (50329968)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 的場 輝佳  関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 客員教授 (10027196)
久保 加織  滋賀大学, 教育学部, 教授 (10190836)
坂本 宏司  広島国際大学, 医療栄養学部, 教授 (80613017)
Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords嚥下調整食 / におい / 凍結含浸法
Outline of Annual Research Achievements

人参の含め煮を、キサンタンガムを主成分とした2種のゲル化剤と凍結含浸法を用いて3種の嚥下調整食(嚥下食)に展開し、においの変化をGC-OとGC-RO分析にて検討した。
試料とした各嚥下食は、学会分類2013の嚥下調整食3に相当するよう調製した。調製後、「嚥下食ピラミッド」、「嚥下困難者用食品たる表示の許可基準」および「ユニバーサルデザインフードの区分と物性規格」に指定の方法で物性測定し、嚥下調整食3に該当することを確認した。
試料の香気成分は、HS-SPME法により抽出し、GC分析に供した。SPME抽出には、ファイバーの液相として50/30μm DVB/Carboxen/PDMSと85μm Carboxen/PDMSの2種を用いた。また、香気成分の検出には、FIDと検査員によるSniffingを用いた。供卓時のにおいと口腔内でのにおいを想定し、前者では、試料を60℃加温して香気成分を抽出し、前鼻腔経由でSniffing(GC-O分析)し、後者では、37℃加温して抽出し、後鼻腔経由でSniffing(GC-RO分析)した。後者は、咀嚼や唾液に影響される為、試料を粉砕し人工唾液と混和後に香気成分の抽出を行った。その結果、GC-O分析では、ゼリー食の場合には、普通食で検出されたにおいの消失やゼリー食でのみ検出されるにおいが多く、凍結含浸法よりも、普通食からのにおいの変化が大きいと考えられた。一方、GC-RO分析では、全試料で、検出されたにおいがGC-O分析よりも顕著に減少した。その中で、凍結含浸法では検出されたにおいが多かったが、そのほとんどは、3倍量の普通食を分析した場合にも検出されたことから、普通食よりもにおいが認識されやすいことがわかった。すなわち、嗅覚の低下した高齢者においても、凍結含浸法では、普通食の風味を楽しむことが期待できる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2016年度は、まず、「照焼鮭」「人参含め煮」について、学会分類2013の嚥下調整食3に相当する嚥下食の調製法を確立することを目指した。「照焼鮭」については、2016年度、凍結含浸法に必要な酵素剤入手が難しいことが判明したため、「人参含め煮」を先行して取り扱うこととした。その結果、呈味成分の浸み込み等、調整・確認すべき項目が残るものの、ほぼ調製法を確立することができた。
また、香気成分分析については、SPMEファイバーの選定等HS-SPME法による香気成分抽出方法を確定し、GC-O分析、GC-RO分析による結果の収集を行った。その結果、“9.研究実績の概要”に記載のように一定の傾向も読み取れた。
以上のことから、「照焼鮭」は、未着手ではあるが、「照焼鮭」のゼリー食については、既に先行研究で取扱い経験もあることから、「おおむね順調な進展」と判断した。

Strategy for Future Research Activity

2017年度は、まず、「人参含め煮」について、凍結含浸法による嚥下食の調製法を再確認する。凍結含浸法では、調製法が、普通食と抜本的に異なるため、試料中の塩分濃度、うま味成分濃度等、試料中の呈味成分濃度を普通食の弁別閾以内の差異に抑えることが非常に難しく、現在達成できていない。しかし、今後官能評価を実施するためには、においの差異に着目するため、それ以外の条件は極力同一にしておく必要があり、この課題解消は必須である。そこで、凍結含浸法にて嚥下食調製時にも用いる煮汁等の組成を検証し、普通食との差異の解消に努める。調製法を固定できれば、2016年度の香気成分分析で認められた傾向に間違いがないか確認する。
さらに、「照焼鮭」についても、まず、凍結含浸法による嚥下食の調製法を確立し、引き続き、試料の香気成分分析を実施する。

Causes of Carryover

予算計上した時点からの価格の変動や消耗品の購入量の差異によって生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度使用額は、研究分担者ごとで考えると最大で4千円弱であり、次年度以降の研究活動に特段加味しなくても、現在の研究計画の中で購入する物品費として、消化されると考えている。

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Published: 2018-01-16  

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