2016 Fiscal Year Research-status Report
遊離脂肪酸(FFA)に着目した時間栄養管理法の構築
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16K00857
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
新井 英一 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 准教授 (60325256)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 時間栄養 / 食後高血糖 / 遊離脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
夜間の飲食が肥満やメタボリックシンドロームの発症に関与し、「時間栄養管理」の重要性が注目されているが、遅い時刻の夕食摂取が血糖管理に対して、どのような影響を及ぼすかは不明であり、その応答におけるFFA 濃度の関与や他の寄与因子に対するFFA 濃度の影響についても証明されていない。そこで食事摂取のタイミングと食後高血糖との関係を明らかにすることを目的とした。 対象は健常者10名とし、夕食を17:30に摂取するEarly dinner (ED群) と22:30に摂取するLate dinner (LD群) のクロスオーバー試験を3日間にわたり実施した。1日目は規定夕食を摂取させ、2日目は7:30に早朝空腹時の採血を行い、その後2時間半おきに計7回の採血を実施し、代謝応答の日内変動を観察した。3回の食事時刻は朝食7:30および昼食12:30、夕食はED群17:30、LD群22:30に設定し、採血後に規定食を摂取させた。3日目は、早朝空腹時の採血後に糖質調整食品の負荷試験を行った。負荷後30分に採血を行い、血糖 (PG) 値、インスリン (IRI) 値および血清遊離脂肪酸 (FFA) 値の結果を用いて、前日の夕食摂取時刻の違いによる影響を評価した。 LD群はED群に比して、翌朝の血糖上昇量 (⊿PG) は有意に高くなり、インスリン上昇量 (⊿IRI) も高値を示した。さらに、⊿PGと⊿IRIが増大した要因として朝食摂取前のFFA値との関係を解析した結果、有意差は見られないものの、食前のFFA値が高い程⊿PGおよび⊿IRIも高くなる可能性が示された。また、負荷試験前日における夕食摂取前のFFA値において、LD群はED群に比して高値を示した。 夜遅い時刻に夕食を摂取することで、夕食時だけでなく翌朝の食後において、血糖の上昇量が高値を示すことが示唆され、本現象に食前のFFA値の関与が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象者数がわずかに少ないが概ね試験は実施されており、特に問題はないと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
例数を増やすこと、メカニズムに寄与する候補因子の解析を行う。既に検体は揃っているため、測定依頼を今年度実施する。
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