2016 Fiscal Year Research-status Report
レプチン抵抗性を改善する食品因子の探索とその抗肥満効果の検証
Project/Area Number |
16K00859
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
赤川 貢 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (70405356)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 食品因子 / レプチン / レプチン抵抗性 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、レプチン抵抗性を改善する食品因子を探索・同定し、その抗肥満効果を培養神経細胞および動物個体レベルで実証することである。また、分子レベルでそのメカニズムを解明することで科学的根拠に基づいた高機能性食品創製のための基盤的知見の集積を目指している。平成28年度は、レプチンシグナルの解析を行うにあたり、ヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞にretinoic acid (RA) を処理し、レプチン応答細胞への分化条件を検討した。その結果、100 nMのRAを5日または6日間処理した細胞において、レプチン受容体(Ob-Rb)、およびその下流のシグナル因子であるJAK2とSTAT3の発現上昇が観察され、神経様細胞への分化が確認された。そこで、SH-SY5Y神経様細胞にレプチンを処理し、レプチン作動性を評価した。ウェスタンブロッティングによる解析の結果、レプチン処理によってOb-Rb、JAK2およびSTAT3の顕著なリン酸化が認められた。また、定量逆転写PCRにより、レプチンシグナルによって発現が制御されているPOMCのmRNAレベルの有意な増加と、NPYとAgRPの有意な低下が確認された。さらに、PTP1B阻害剤であるオルトバナジン(V)酸ナトリウムがレプチンシグナルに及ぼす影響を検討し、レプチン非存在下においてレプチンシグナルの活性化を誘導することを明らかにした。現在は、当初の計画通りにPTP1B活性を阻害する食品素材および成分の培養神経様細胞に対するレプチン抵抗性改善作用の評価を実施している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に計画していた研究項目(1)レプチン抵抗性モデル細胞の確立を達成し、平成28年度から29年度にかけて実施を計画していた項目(2)PTP1Bを阻害してレプチン抵抗性を改善する食品因子の探索と機構解析を実行中のため。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度から29年度にかけて実施を計画していた項目(2)PTP1Bを阻害してレプチン抵抗性を改善する食品因子の探索と機構解析を継続する。また、PTP1B阻害効果の高い食品因子を選抜し、研究項目(3)培養神経細胞を用いた食品因子のレプチン抵抗性改善作用の評価を実施する。
|
Research Products
(13 results)
-
[Journal Article] Oxidative deamination of serum albumins by (-)-epigallocatechin-3-O-gallate: A potential mechanism for the formation of innate antigens by antioxidants.2016
Author(s)
Hatasa, Y., Chikazawa, M., Furuhashi, M., Nakashima, F., Shibata, T., Kondo, T., Akagawa, M., Hamagami, H., Tanaka, H., Tachibana, H., Uchida, K.
-
Journal Title
PLoS One
Volume: 11
Pages: e0153002
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] Identification of lactate dehydrogenase as a mammalian pyrroloquinoline quinone (PQQ)-binding protein.2016
Author(s)
Akagawa, M*., Minematsu, K., Shibata, T., Kondo, T., Ishii, T., and Uchida, K*.
-
Journal Title
Sci. Rep.
Volume: 6
Pages: 26723
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-