2018 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of nutritional status by analysis of stable isotope ratio and trance elements in scalp hair and application to medical cares
Project/Area Number |
16K00863
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
遠藤 哲也 北海道医療大学, 薬学部, 准教授 (10133216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 治 北海道医療大学, 薬学部, 講師 (10418882) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 窒素安定同位体 / 炭素安定同位体 / 経腸栄養剤 / 中心静脈栄養剤 / 微量元素 / 頭髪 / 糖尿病 / クローン病 |
Outline of Annual Research Achievements |
必要なエネルギーの全てを経腸栄養剤で摂取している80歳代の患者の頭髪中の窒素安定同位体値(d15N) と炭素安定同位体比(d13C)を測定し、同年代の健常者と比較した。経腸栄養剤から十分なエネルギーを摂取していない患者のd15N値は健常者より高く、d13C値は低かった。この結果から、患者の低栄養状態を推定できることを明らかにした(早坂ら、2016;Hayasaka et al., 2017)。 現在、頭髪を加水分解し、得られたアミノ酸解析している(Endo et al., 2017と投稿準備中)。 中心静脈栄養剤で必要なエネルギーの全てを摂取している患者頭髪中のd15N値は低く、一方d13C値は高く、この変化から中心静脈栄養剤で栄養管理を受けていた期間が推定できた(早坂ら; Hayasaka et al., 2017)。 糖尿病患者の頭髪中の元素を健常者と比較したところ、Zn、Cu、Cr、FeおよびMnが有意に低く、これら元素濃度には性差が認められた。男性の場合にはCr、NaおよびZn濃度を用いた判別式により糖尿病であるか否かを高い確率で判別できた。一方、女性の場合にはFeとZn濃度から同様に判別できた(Hotta et al., 2018 and in press)。 クローン病患者頭髪中のd15N値とd13C値はそれぞれ健常者よりも低く、この原因はクローン病患者の多くがサプリメントとして飲用しているエレンタールのd15N値とd13C値が一般的な食品と比べて顕著に低いからである。この結果からクローン病患者がどの程度エレンタールからエネルギーを摂取しているのかを推定できた(Ogasawara et al., 2018)。クローン病患者の頭髪中の数種類の必須微量元素濃度が高く、これは血清中のトランスフェリンとの結合に関連すると思われる(Ogasawara et al. 投稿中)。
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Research Products
(4 results)