2019 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of preventive effect of cereal intake on hypertension through the alteration of intestinal metabolism
Project/Area Number |
16K00867
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
青江 誠一郎 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (90365049)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 血圧 / 大麦β-グルカン / 短鎖脂肪酸 / 腸内細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
大麦β-グルカン含量の異なる2種類の大麦をマウスの飼料に添加し,大麦β-グルカンの高血圧改善作用について検討を行った。 大麦粉はホワイトファイバー(WF),ファイバースノウ(FS)を用いた。β-グルカン含量としてはWFが1.4倍多かった。マウスはC57BL/6Jマウスを用いて,11週目にマウス非観血圧測定装置を用いて血圧測定した。飼育12週目にマウスを8時間絶食の後解剖し,心臓から血液を採取し,血清中の血圧マーカーをELIZA法にて分析した。対照群と比較してFS,WF群共に盲腸重量が,有意に増加した。後腹壁脂肪並びに腸間膜脂肪はWF群で有意に低値を示した。収縮期血圧,拡張期血圧,平均血圧は対照群に比べてWF群で有意に低値を示した。FS群も同様の傾向を示した。血圧調整に関わる血清アンジオテンシンⅡ濃度とACE活性については各群で有意な差は見られず,また肝臓及び副睾丸周辺脂肪組織のアンジオテンシノーゲン,並びにアンジオテンシンⅡ受容体のmRNA発現量については対照群と比べ,FS群でアンジオテンシノーゲン濃度が有意に増加し,WF群ではアンジオテンシンⅡ受容体が有意に増加した。盲腸内の短鎖脂肪酸濃度は対照群と比べてFS群,WF群共に酢酸,プロピオン酸,コハク酸,総有機酸量が有意に増加した。また,各血圧と盲腸重量に負の相関性が確認され,プロピオン酸と収縮期血圧間で負の相関性,酢酸,総有機酸とは負の相関傾向が確認された。血管収縮因子である血清エンドセリン値は対照群と比較してWF群,FS群で有意差は認められなかった。 同様の実験を,昆布,小麦アラビノキシランについて実施し,発酵の程度と血圧が相関して低下することを確認した。 以上より,大麦の血圧低下作用はレニンーアンジオテンシンーアルドステロン系よりも腸内細菌叢―短鎖脂肪酸-短鎖脂肪酸受容体を介した作用が寄与している事が示唆された。
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Research Products
(1 results)