2017 Fiscal Year Research-status Report
鉄欠乏時の骨代謝変動に及ぼす因子の検索とメカニズムの解明
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16K00873
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
勝間田 真一 東京農業大学, 応用生物科学部, 准教授 (10424681)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 鉄欠乏 / 骨代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、鉄欠乏時の骨量減少に及ぼす要因について検討を行っているが、2年目の研究実施計画として、鉄欠乏時の骨代謝に及ぼすタンパク質摂取量の影響について検討を行った。被験動物として幼若Wistar系雄ラットを用いた。飼料はAIN-93G飼料組成に基づき作成し、鉄欠乏と同時に低タンパク質の飼料を作成し、鉄欠乏食投与ラットとの違いについて検討を行った。鉄欠乏食投与により明らかな貧血症状を示したが、鉄欠乏低タンパク質食投与による影響は観察されなかった。鉄欠乏食投与により、いくつかの骨形成関連遺伝子の発現は低下したが、鉄欠乏低タンパク質食投与による明らかな影響はみられなかった。これまでの研究において、鉄欠乏食投与により、タンパク質代謝に影響を及ぼすことが示唆されているが、今回の研究において、鉄欠乏時に低たんぱく状態にしても骨代謝については更なる悪影響はみられなかったことから、飼料中タンパク質濃度の設定にもよるが、本実験で設定したタンパク質濃度においては、骨代謝に対しては鉄欠乏食投与の影響が強いことが示唆された。 また、鉄欠乏食投与ラットにおけるカルシウム代謝に関わる因子の遺伝子発現についても検討を行った。鉄欠乏食投与ラットにおいて、カルシウム吸収にかかわる遺伝子発現の低下が観察された。これまでに鉄欠乏ラットにおいて血清中の活性型ビタミンD濃度の低下が引き起こされることを報告しており、そのことが、今回の結果の一因であることが推察された。現在、さらなる検討を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り鉄欠乏時の骨代謝に及ぼすタンパク質摂取量の影響について検討を行った。また、前年のサンプルを用いて、カルシウム代謝に関する検討も行った。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も計画通りに研究を行っていく。また、データをまとめ、論文を投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
ほぼ当初計画通りに研究を遂行できたが、効率的な予算執行ができたため、少額の繰越となった。この額も含めて、追加の解析検討を行うこととする。
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