2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K00881
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
田中 清 京都女子大学, 家政学部, 教授 (90227132)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ビタミンB12 / ホモシステイン / 葉酸 / 骨粗鬆症 / 骨折 / 心血管疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)骨折リスク回避に基づいた血液中ホモシステイン(Hcy)・ビタミンB12・葉酸濃度のカットオフ値の検討 <背景・目的> 骨粗鬆症による新規椎体骨折リスクに基づいた血漿Hcy濃度、高Hcy血症回避のための血清B12・葉酸濃度のカットオフ値を検討した。<方法> 新規椎体骨折発生を指標とし、女性骨粗鬆症患者1058名を対象としたコホート研究結果を分析した。<結果・考察> 高Hcy血症者で新規椎体骨折発生率が有意に高く、骨折リスクに基づいたカットオフ値として9.55 nmol/mLが得られ、生存時間分析・Cox回帰分析にて妥当性が示された。血清B12・葉酸濃度のカットオフ値は510.5 pg/mL、6.3 ng/mLであった。骨折リスク回避には、従来の値より低い血漿Hcy濃度、高い血清B12・葉酸濃度が必要と考えられた。 (2)高齢者におけるB12・葉酸栄養状態の調査 <背景・目的> 吸収障害等により、高齢者ではB12・葉酸が不足しやすい。近年高Hcy血症と筋力低下の関係が報告されているが、わが国での報告は乏しいので、この点を調査した。<方法> 施設入居高齢女性67名に、血中B12・葉酸・Hcy濃度、下肢筋力・歩行速度を測定した。<結果・考察> 過半数で高Hcy血症を認め、B12・葉酸が有意に関連し、下肢筋力に対し年齢・高Hcy血症は有意に寄与した。高齢者における高Hcy血症と筋力低下との関連が考えられた。 (3)まとめ 以上のことから、骨折リスク回避には、血漿Hcy濃度は従来の値より低く保つ必要があり、B12不足段階でも、高Hcy血症による骨折リスクの増加や筋力低下に関連することを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに2016年度中に英文論文1本が採択され、現在さらにもう1本英文論文を投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度において、骨粗鬆症性骨折のリスクを上昇させないために必要なビタミンB12・葉酸の必要量に関して、コホート研究の結果に基づいた解析を行い、英文論文として投稿することができたので、2017年度は、心血管疾患のリスクを増加させないために必要な、ビタミンB12・葉酸の必要量に関して、コホート研究データの解析を行う。
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Causes of Carryover |
おおむね計画通りの支出を行ったが、消耗品の支出に関して、若干の余剰を生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品支出にて調整する。
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Research Products
(5 results)