2018 Fiscal Year Research-status Report
プレニル化フラボノイドの新規歯周病治療薬としての有効性評価
Project/Area Number |
16K00891
|
Research Institution | Shokei University |
Principal Investigator |
狩生 徹 尚絅大学, 生活科学部, 准教授 (10412735)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 隆寿 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (20176499)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 歯周病菌 / プレニル化フラボノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病の発症・進行に関わる主要な病原性細菌は、グラム陰性菌のPorphyromonas gingivalis (ジンジバリス菌)である。ジンジバリス菌はジンジパインと呼ばれる強力なシステインプロテアーゼを分泌し、タンパク質分解・アミノ酸取り込みによりエネルギーを獲得する。ジンジパインは、ジンジバリス菌増殖に重要であるとともに、フィブリノーゲン、サイトカインなどの血漿タンパク質の分解や細胞傷害により、全身疾患を誘発する病原因子でもある。 我々の研究グループでは、機能性食品の開発を目標として、植物性食品に多く含まれるカテキンやケルセチンの様なフラボノイドと共にプレニル化フラボノイドの機能性を解析している。その過程において、プレニル化フラボノイドが強いジンジパイン阻害活性を有することを見出した。これまでに、生薬のイカリソウより精製したプレニル化フラボノイドであるEpimedokoreanin B等が、非競合的にジンジパインを阻害することを明らかにしている。さらに、ジンジバリス菌培養液中にプレニル化フラボノイドを添加したところ、ジンジバリス菌の増殖を抑制することが出来た。しかしながら、歯周病が誘発する全身疾患への効果は確認出来ていないため、本研究課題では平成28年度からの3年間で、ジンジパイン及びジンジバリス菌が誘発する①血液循環系への障害、②細胞への傷害、③炎症性サイトカインネットワーク破壊、の3点に着目して、プレニル化フラボノイドの抑制効果を検討している。 平成30年度までに、Epimedokoreanin Bのジンジパインによる宿主タンパク質分解抑制能抑制を明らかとしており、さらにモルモットを使用した血管透過性亢進アッセイにより、Epimedokoreanin Bがジンジパインによる血管漏出を抑制しうることを明らかとした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
Epimedokoreanin Bのジンジパインによる宿主タンパク質分解抑制能抑制の濃度依存性を解析し、これまでの研究成果とともに原著論文として英文学術誌に投稿する。
|
Causes of Carryover |
研究成果を学術誌に投稿したところ、エディター及びレビュアーからの意見を受け、研究内容の新規性やプレニル化フラボノイドの有用性データを補強する追加の実験を実施することを検討しているため。
|