2017 Fiscal Year Research-status Report
テーラーメイド脂質栄養学の確立を目指した遺伝子多型と脂質摂取との相互作用の解明
Project/Area Number |
16K00893
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Research Institution | Toyama College |
Principal Investigator |
竹内 弘幸 富山短期大学, 食物栄養学科, 教授 (80551689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田淵 英一 富山短期大学, 食物栄養学科, 教授 (70272911)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脂質 / 生活習慣病 / 遺伝子多型 / 栄養学 |
Outline of Annual Research Achievements |
生活習慣病の発症には、肥満遺伝子など遺伝的な素因が深く関わっていることが知られている。適正な脂質摂取は、生活習慣病予防に重要である。個々人が持っている遺伝子のタイプ(多型)によって望ましい脂質摂取量は、異なるかもしれない。遺伝素因別に望ましい脂質摂取量を明らかにすることによるテーラーメイド脂質栄養学の確立を目指して、本研究では、BMI、血中脂質濃度、糖代謝マーカー、動脈硬化度、血圧などと脂質摂取との関連性について、肥満に関連する遺伝子の多型を含めて解析を行っている。 平成29年度においては、健常な一般成人46名を対象にして、食事調査、身長、体重、血圧およびウエストなどの身体検査、コレステロール(LDL-およびHDL-コレステロール)、中性脂肪、血糖値、インスリン、HbA1cおよび脂肪酸組成などの血液分析、動脈硬化度(Cardio ankle vascular index)および肥満遺伝子のタイプ検査(β3-アドレナリン受容体、β2-アドレナリン受容体、Uncoupling protein 1、FTOの一塩基多型)を実施した。計画では、100名程度を対象に調査を行う予定であったが、参加希望者を予定数集めることができなかった。次年度も継続して調査を行い、予定数に達したのちデータの解析を行う予定である。 本研究の成果の蓄積のよって、将来的に遺伝素因別に栄養指導を行え、脂質摂取について個人に対応した効果的な栄養指導が可能となると考えられる。また、遺伝子変異の有無によって、飽和脂肪酸などの脂質摂取量の目標値が設定されることにも繋がる研究であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査対象となるボランティアが予定どおり募集できないことが、遅れている理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では、平成28年度および29年度に食事調査および各種検査を実施する予定であったが、ボランティアの募集が予定どおり集まらなかったため、30年度も引き続き調査を行い予定数のデータを得る見込みである。 肥満関連遺伝子の変異を持つグループと持たないグループに分け、総脂質や飽和脂肪酸などの摂取量と検査項目との相関の有無について解析する予定である。両グループに相関が認められた場合には、回帰直線の傾きの検定を行う。また、食事摂取基準をもとに、総脂質や飽和脂肪酸の適正摂取者と過剰摂取者、変異を持つグループと持たないグループに分けて、二元配置の分散分析を行い、遺伝素因と脂質摂取との間に相互的な関係があるのかについても解析を行う予定である。必要に応じて、偏相関分析や共分散分析の手法を活用して、エネルギー摂取量などの因子を制御して統計解析を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
ボランティアの募集が予定どおり集まらなかったため、調査の期間を延長して30年度も引き続き調査を行う予定である。そのため、当初予定していなかった平成30年度に調査費用が生じた。 平成30年度は、29年度調査できず使用しなかった費用を使用して、調査研究を推進する予定である。
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