2017 Fiscal Year Research-status Report
標準化定型負荷食を用いた段階的食物経口負荷試験方法の確立に関する研究
Project/Area Number |
16K00899
|
Research Institution | Clinical Research Center for Allergy and Rheumatology, National Hospital Organization, Sagamihara National Hospital |
Principal Investigator |
柳田 紀之 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 小児科, 医長 (40436150)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海老澤 元宏 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), アレルギー性疾患研究部, 部長 (30338876)
佐藤 さくら 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), その他部局等, その他 (90398272)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 食物アレルギー / 食物経口負荷試験 / 鶏卵アレルギー / アナフィラキシー |
Outline of Annual Research Achievements |
【概要】食物アレルギーの診断は食物経口負荷試験(以下負荷試験)がゴールドスタンダードとされるが、煩雑さと負荷食準備の困難さから、十分に実施されているとは言えない。本研究では粉末状の容易に準備可能な定型負荷食を用いた標準化された負荷試験方法を用い、多施設で負荷試験を行なった結果を検討し、①標準化されたより安全な負荷試験方法の確立および②多施設での負荷試験結果から陽性、重症反応に対するリスク因子を明らかにすることを目的とする。 【研究実績】2016年8月にプロトコールを確定した。各医療機関で倫理申請を進め、2017年1月までに全施設で倫理審査が終了した。ファイルメーカーを用いた症例登録システムを確立した。 【症例登録】多くの施設で10例以上の症例登録を行なうことができた。総登録症例数は551例である。さらに症例数を蓄積中である。また、鶏卵と同様に牛乳に関しても症例を集積している。 【結果】鶏卵アレルギー児551例に対して負荷試験を行ない、66例が陽性であった。アナフィラキシーガイドラインのグレード評価による重症の症状は2例のみであり、負荷試験は極めて安全に施行できた。安全に施行できた結果、陽性率が低く、自院以外の施設での陽性症例が少ないため、誘発症状の重篤度に関する施設毎の比較はできなかった。 【研究成果の発表】研究成果をもとに英文論文が3編掲載された。研究成果に関して、即時型アレルギーの内容に関してヨーロッパアレルギー学会(2018年5月)、全体の内容については日本アレルギー学会(2018年6月)に発表予定である。メインの結果について英文誌として論文投稿中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
鶏卵に関して症例集積は十分にできた。本研究の元となる卵黄の負荷試験について、Pediatric Allergy and Immunologyに投稿し、2017年中に掲載された。2018年2月にCurrent opinion in allergy and clinical immunology誌に負荷試験に関する論文が掲載された。また、鶏卵、牛乳、小麦の負荷試験に関する論文をPediatric Allergy and Immunologyに投稿し、2018年に掲載予定である。多施設で行なった研究成果に関して、即時型アレルギーの内容に関してヨーロッパアレルギー学会(2018年5月)で発表した。全体の内容については日本アレルギー学会(2018年6月)に発表予定である。 メインの結果となる論文に関しては現在投稿中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2018年8月に会議を予定している。アメリカで牛乳負荷試験で死亡事例が発生したため、牛乳に関しては多施設での施行は見合わせ、少数(3施設)に限って実施中である。また、メインの結果となる論文に関しては現在投稿中である。
|
Causes of Carryover |
(理由)論文投稿にかかる費用の注文が年度内(3月)であったが、支払い請求が次年度にかかってしまったため、使用金額が予定より少なくなった。 (使用計画)5月中に英文投稿費用の支払いを行なったため、5月末現在はほぼ計画通りとなっている。当初の計画に沿って、研究費の使用を進めていく予定である。 負荷食品の抗原性の確認などに用いる試薬の購入、特異的IgE値測定のための試薬の購入、会議開催のための費用、旅費、人件費、英文投稿に関連する費用などに使用する予定である。
|