2018 Fiscal Year Research-status Report
インド農村地域における在来作物の学校給食への活用と特性評価
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16K00907
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
辻 耕治 千葉大学, 教育学部, 准教授 (50359840)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インド / 農村 / 在来作物 / 学校給食 |
Outline of Annual Research Achievements |
(成果1)マディヤ・プラデシュ州における給食の現状・嗜好等について:同州のジャバルプル地区のPrimary School(初等学校)11校、Upper Primary School(前期中等学校)10校、およびディンドリ地区のPrimary School 6校、Upper Primary School 4校の計10校の合計31校において、生徒と教員を対象にアンケートを実施した。生徒へのアンケート結果から、現在の給食メニューの中で生徒の特に好きなのは現地の庶民的な料理であるPuriとKheerであること、給食メニューへの追加を求めるのはLadduやSweet dish等甘味の強いものであることが明らかとなった。教師へのアンケート結果からは、多くの教師が現在の学校給食には改善の余地があると考えていること、現在の給食メニューでは栄養バランスに問題があると感じていることが読み取れた。 (成果2)マディヤ・プラデシュ州の在来作物を利用した給食メニューの開発について:マディヤ・プラデシュ州の在来作物である雑穀のコドミレットとリトルミレットを原料に、甘い団子(生徒へのアンケート結果をふまえた甘いメニュー)と麦芽飲料(教師へのアンケート結果をふまえた栄養価の高いメニュー)を試作し、ジャバルプル地区の学校の生徒と教員を対象に試食試験を行った。その結果、試作した2つのメニューとも高い支持が得られた。 (成果3)マディヤ・プラデシュ州の在来作物の遺伝的類縁関係・分化の調査について:雑穀のコドミレットとリトルミレットについてDNAマーカーのひとつであるISSRマーカーを用いて、地域内・地域間の遺伝的類縁関係・分化を調査した。その結果、コドミレットとリトルミレットともに、地域内にも遺伝的多様性が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(テーマ1)「マディヤ・プラデシュ州農村地域における給食の現状・食の嗜好等の解明」について:1年目の遅れが影響している。1年目の遅れの原因となったのは本研究にあてられるエフォートが見込みより低くなったためであったが、2年目および今年度はこの点は改善でき、口頭での聞き取りと紙面でのアンケートでデータ収集を完了した。 (テーマ2)「マディヤ・プラデシュ州の在来作物を活用した給食献立の試作・試行」について:1年目の遅れが影響している。1年目の遅れの原因となったのは本研究にあてられるエフォートが見込みより低くなったためであったが、2年目および今年度はこの点は改善でき、給食献立の試作・試食会を完了した。 (テーマ3)「マディヤ・プラデシュ州の在来作物のフィールド調査・収集・特性評価」について:このテーマの進捗は概ね順調で、同州において収集した在来作物(雑穀)について、DNA分析および含有成分の分析を完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
「7.現在までの進捗状況」に記載したとおり、テーマ1、テーマ2、テーマ3いずれについても、データの収集・解析は今年度までに完了している。最終年度となる次年度は、成果を投稿論文や講演資料にまとめ、学術雑誌や学会において発表する方針である。次年度の活動は順調に遂行可能な見込みである。
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Causes of Carryover |
理由:研究成果取りまとめを目的としたインドの研究協力者との打合せのための旅費、研究成果発表を目的とした学会発表の旅費および論文投稿料等が必要と見込まれるため、今年度の予算を繰り越した。 使用計画:研究代表者のインド出張や学会発表等の旅費、および論文投稿料等にあてる計画である。
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Research Products
(1 results)