2016 Fiscal Year Research-status Report
1食の食事量を主体的に把握する食育の有効性:体組成の変化を指標として
Project/Area Number |
16K00921
|
Research Institution | Japan Women's College of Physical Education |
Principal Investigator |
古泉 佳代 日本女子体育大学, 体育学部, 准教授 (20637342)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 早苗 共立女子短期大学, その他部局等, 准教授 (60535459)
木皿 久美子 日本女子体育大学, 体育学部, 助教 (20710784)
川野 因 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (80277681)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 一人暮らし / 生活時刻 / 食習慣 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、大学生女子アスリートが適切な食事量を選択できない理由を検討するために、大学生女子アスリートの食事に対する認識の特徴及び生活習慣の特徴を質問紙を用いて検討した。対象者は東京都近郊の女子体育大学に通う70名(新体操部33名、陸上競技部37名)及び、女子大学に通う185名(健康スポーツ実習受講者)とした。質問項目は、運動習慣の有無、生活リズムの主観的評価、食習慣スコア、体型、食事量の比率とした。食事量の比率については、1日の食事(朝食・昼食・夕食・間食)を10とした場合に各食事量の割合を主観で回答してもらった(以下食事量比率と示す)。 その結果、一般女子大学生では「家族と同居」、大学生女子アスリートでは「一人暮らし」が最も多く占めており、2群間において有意な違いが認められた。食事の摂取頻度や朝食の重要性に関する認識については、2群とも「毎日食べている」「とても重要だと思う」と回答した者が多く、有意な違いはみられなかった。しかし朝食の重要性に対する理由については、項目によって有意な違いがみられた。体型については、一般女子大学生は平均的な体型であるにも関わらず痩身願望が高く、大学生女子アスリートは「体型の自己認識の理由」と「食事が及ぼす影響」に関する質問に対して生活スタイルにあった回答をしていた。 大学生女子アスリートは総じて生活時刻が規則正しく、早寝と適度な睡眠時間が確保されていた。朝食の内容に関しては重要であると認識しており、日々の身体調整も必要としているにも関わらず、摂取内容等が不十分であるのは居住形態の違いによるものと考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度はまず、大学生女子アスリートの生活習慣の実態を明らかにするために、質問紙調査を用いて運動習慣のない女子大学生との比較を実施した。本調査に関しては分析を実施し、大学生女子アスリートの食習慣は居住形態及び生活リズムの主観的評価との関連が明らかになった。食事量に関する認識の特徴は現在分析中である。 さらに今年度は、食事量を把握するための教材を作成した。当初、厚生労働省による「健康な食事」を基準に用いる予定であったが、対象者に身近である料理を一食の基準とするために、学生食堂の一食量を調査し基準を作成した。現在、教材の作製を進めている。 同時に、食育の有効性を検討するための身体活動量、身体組成及び食事調査の1回目の調査を実施、解析している。対象となる女子大学生アスリートのトレーニングの期分け及び、授業等のスケジュールを調整して調査時期を決定し、実施している。
|
Strategy for Future Research Activity |
教材開発に関しては、基準量を決定し、基準量の0.75倍を「小」、1.5倍を「大」とした食事を調理し撮影する。さらにそれらの難易度を把握するための調査を実施する。 1回目の身体活動量、身体組成及び食事調査の分析をする。その後、教材を用いた食育を実施した場合の身体活動量、身体組成及び食事調査を実施する予定である。
|
Causes of Carryover |
研究の進行がやや遅れているため、食育教材を作製するための食材費、文房具等の支出が少なかったこと、加速度計に使用する電池の使用が少なかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ整理等に必要な謝金に使用予定である。食育教材開発に関する食材費や文具の購入及び、研究結果を発表にする際の旅費等に使用予定である。身体活動量測定を実施する際の消耗品費に使用する予定である。
|