2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a diagnostic kit for NAFLD/NASH due to unhealthy lifestyle habits
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16K00931
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
長嶺 憲太郎 広島国際大学, 医療栄養学部, 教授 (80412352)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | HNRNPM / NASH / NAFLD / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに当研究室では、フルクトースによって糖化させた培養細胞から新規糖化蛋白質であるHNRNPMを同定してきた。NALFLD/NASH患者ではHNRNPMが糖化されることによって機能が損なわれることが考えられるため、HNRNPMの働きを抑制した細胞株を用いた実験を行った。HNRNPMの糖化によって細胞全体の遺伝子発現レベルの変化を調べた結果、138遺伝子の発現が1.5倍以上増加しており、100遺伝子の発現が1.5倍以上減少していた。これらの中には、バイオマーカーになりうる遺伝子や原因究明に繋がる遺伝子が存在していることが考えられる。 今回、得られた候補遺伝子の中に、エキソソーム中に発現しているものもあった。エキソソームは唾液中にも存在していることから、唾液のサンプリングという非侵襲的な手法が利用できる。そこで、唾液から遺伝子を検出できるかを検討した。予備的な検討として、口内細菌であるミュータンス菌の検出系の構築を行った。この結果、遺伝子増幅法としてLAMP法を用い、培養方法を変更することで、約100分子の菌の存在を検出できる系を確立することができた。すなわち、LAMP法を応用することができれば、エキソソーム中に存在する遺伝子を容易に検出できることが期待できる。 血管内皮細胞には、肝細胞から出される炎症性サイトカインから自分自身を守り、アポトーシスを防ぐ仕組みがある。血管内皮細胞に発現しているRASGRP2が、発変量変化の見られた遺伝子の中に見られた。この遺伝子について機能解析した結果、アポトーシスシグナリングの1つであるTNFαシグナリングに関与していることが明らかとなった。すなわち、NASHになりHNRNPMの働きが抑えられると、血管内皮細胞はRASGRP2の発現を誘導して自身のアポトーシスに対して抵抗性を示すように働くことが示唆された。
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Research Products
(5 results)