2017 Fiscal Year Research-status Report
食物アレルギー対応給食のリスク管理を目指したエビデンスの構築
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16K00936
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Research Institution | Beppu University |
Principal Investigator |
高松 伸枝 別府大学, 食物栄養科学部, 教授 (90331876)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 食物アレルギー / 集団給食 / 食物アレルギー対応 / 原因食物 / アレルゲン / エライザ法 / リスクマネージメント / 小児栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
1保育所施設内の飛散及び提供給食に混入する抗原タンパク質を測定し,傾向を検討した.A県内の認可保育所を対象施設とした.給食準備・提供時間帯に厨房内外にシャーレを設置するとともに,提供された給食を回収後,抗原測定を行った.原因食物は卵,乳,小麦とし,検出は食品衛生法の通知による「FASTKITエライザVer. 3」キットを用いた.小麦・卵を扱う献立では,厨房内の混入・飛散が確認された.提供給食では,すべての施設で米飯中の混入は認められなかったが,汁物等に原因食物が検出されたものがあった.今回の結果からは,最重症を除き通常の給食作成で対応給食は提供可能と推測されたが,小麦など粉体成分は,飛散・混入の可能性が否定できず,管理体制の徹底が望まれた. 2学校給食を提供する単独校および学校給食センターを対象に,1ヶ月中の給食献立から,原材料及びアレルギー表示のある鶏卵,牛乳,小麦,大豆及びその加工品を抽出し,使用頻度と使用量の集計・分析を行なった.各原因食物使用品目数は,鶏卵・卵を含む加工品では主に7品目,牛乳・乳加工品13品目,小麦・小麦加工品25品目で,大豆・大豆加工品は39品目にのぼった.施設間で使用頻度に差がみられ(分散分析:p<0.05),鶏卵は変動係数が大きかった.加工品は,さつまあげ,チーズ,しょうゆ,コンソメなどが頻回使用されていた.学校給食の業務用加工品では,原材料に鶏卵,牛乳,小麦不使用の製品が増えており,通常給食にこれら製品を使用する対策が進んでいた.しかし大豆及び大豆を含む加工品は多品目にわたり,対応の難しさがうかがわれた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自治体への調査も協力的で、順調に結果集計ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、保育所、小学校での集団給食施設調査の結果と、臨床現場における食物経口負荷試験結果に基づく患者発症閾値との関連性を検討する。リスクの少ない対応給食提供方法について論文作成を行い、現場への還元とともに、広く社会へ発信する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度成果発表会を行う予定であったが、次年度に繰り越しとなった。
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Research Products
(17 results)