2018 Fiscal Year Research-status Report
疾患モデルショウジョウバエを用いた食品成分の生理機能解析
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16K00937
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Research Institution | Yamanashi Gakuin Junior College |
Principal Investigator |
萱嶋 泰成 山梨学院短期大学, その他部局等, 准教授(移行) (90365453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 伸二郎 東京工科大学, 応用生物学部, 教授 (50629152)
小林 公子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (90215319)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 食情報 / 機能性食品 |
Outline of Annual Research Achievements |
食品成分が脂肪蓄積抑制効果を持つのかショウジョウバエで検証する方法として、3齢幼虫期の脂肪体(人における肝臓や白色脂肪細胞に相当する組織)をオイルレッド染色し、成分の摂取によって蓄積量の変化を調べることで検証する方法があったが、定量的な解析と成虫での解析が出来ないかが課題であった。吸光度測定器を用いた条件検討により、ショウジョウバエの幼虫・成虫のどちらを用いても脂肪蓄積量を定量的に測定できるアッセイ系を構築することができた。 ライ麦含有成分のアルキルレゾルシノールについて、摂取によってショウジョウバエ成虫個体に寿命延長効果をもたらすことを明らかにしていた。このアルキルレゾルシノールに構造が類似した化合物であるオリベトールについて、機能性の検証を行った。マウスを用いた実験により、オリベトールには脂肪蓄積の抑制効果があることが示唆されたため、ショウジョウバエでも同様の効果がみられるか検証した。ショウジョウバエ成虫は高脂肪食で飼育することにより生存率が低下するが、オリベトールを含んだ高脂肪食では、高脂肪食特有の生存率低下に抑制傾向がみられた。しかしながら脂肪蓄積の抑制効果について、定量的オイルレッド染色で調べたところ、顕著な抑制効果はみられなかった。アルキルレゾルシノールと同様な寿命延長効果を持つのか調べる目的でショウジョウバエ成虫に投与したところ、アルキルレゾルシノールほどではないものの、寿命延長効果をもたらすことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
機器の故障ど、研究の進捗に影響する大きな問題が生じなかったため
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Strategy for Future Research Activity |
ショウジョウバエ成虫に寿命延長効果をもたらすアルキルレゾルシノールは、カカオにも微量ながら含まれていることがわかっている。カカオ由来のアルキルレゾルシノールについても同様な寿命延長効果を持つのか、投与実験によって調べる。 ショウジョウバエ成虫に寿命延長効果をもたらしたオリベトールについて、分子生物学的解析手法を整備し、代謝経路のどこに作用するのかを明らかにする。
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Causes of Carryover |
本申請計画と同一の内容で企業との共同研究を進めるといった、産学連携による資金が得られたため。また、研究規模を拡大して実施できる可能性が生じたため。
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Research Products
(2 results)