2017 Fiscal Year Research-status Report
欧州3国と日本の学校給食と食育-味覚・健康・環境・食文化・食農教育の視点から-
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16K00938
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Research Institution | Nagano Prefectural College |
Principal Investigator |
中澤 弥子 長野県短期大学, その他部局等, 教授 (50320932)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 学校給食 / 食育 / スウェーデン / イタリア / ドイツ / 日本 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の学校給食及び食育の参考資料を得るために、平成29年度は、スウェーデンおよびイタリアにおいて学校給食の調査を行った。調査実施計画では、平成28年度にスウェーデン、平成29年度にドイツ、平成30年度にイタリアを調査する予定であった。しかし、スウェーデンでは、調査協力者と相談した結果、調査地の都合および調査を円滑に進めるには、平成29年度のサマータイムに調査を行うほうがよいと判断された。また、ドイツは州により学校制度が異なり、学校給食の実施の状況も夏期休暇などの祝日の期間も異なるので、複数の州を調査することが適切と考えられた。それで、平成29年度にスウェーデンおよびイタリア、平成30年度にドイツの複数の州で調査を行うことにした。 スウェーデンでは、平成29年7月に予備調査を行い、本調査を平成29年9月中旬に行った。スウェーデンで人口が四番目に多いウプサラ市およびウプサラ市に隣接するクニブスタ地区の保育園・幼稚園、小・中学校、高校を調査対象とした。学校給食の調理現場や食堂での食事の様子と授業の様子の参与観察および家庭科担当教員、学校給食の調理責任者、調理員、行政の学校給食責任者およびウプサラ大学の研究者に聞き取り調査を行い、必要な資料を得た。 スウェーデンでの調査後、平成29年9月下旬にイタリアに移動し、ローマ市で、保育園・幼稚園および小・中学校で調査を行った。調理現場や食堂での食事の様子の参与観察および学校給食の調理責任者やローマ市の学校給食を管轄している行政責任者に聞き取り調査を行い、必要な資料を得た。 日本国内ではユネスコ食文化創造都市である山形県鶴岡市と、長野県内の学校給食の調査を行い、学校給食の調理現場や学校給食を管轄している行政責任者や学校給食に食材を納入している農家に聞き取り調査を行い、必要な資料を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度には、長野県内で学校給食の調査および学校給食関係者を対象としたアンケート調査を実施し、資料の分析、海外での現地調査の準備のための交渉、アンケート調査の集計、分析を行った。 平成29年度には、スウェーデンの保育園・幼稚園、小・中学校、高校、イタリアの保育園・幼稚園および小・中学校での現地調査、山形県鶴岡市および長野県内で学校給食の調査を行い、小・中学校で学校給食の調理現場や学校給食を管轄している行政責任者や学校給食に食材を納入している農家に聞き取り調査を行い、必要な資料を得た。また、平成28年度に行ったアンケート調査の成果について、日本調理科学会平成29年度大会で「長野県の学校給食と食育の現状 栄養教諭および学校栄養職員を対象とするアンケート調査」というテーマでポスター発表を行った。また、平成30年9月26日~29日にギリシャで行われる国際学会SIEF 22nd International Ethnological Food Research Conferenceにおいて、「THE SPECIAL CHARACTERISTICS OF JAPANESE SCHOOL LUNCH AND ITS CHANGES FROM THE VIEWPOINTS OF TRADITIONAL FOOD CULTURE AND NUTRITIONAL SCIENCE」というテーマで口頭発表および関係の論文投稿の準備を行っている。 平成30年度に行うドイツおよび日本国内での現地調査の準備も円滑に進んでおり、ベルリンおよびシュツトガルトや鹿児島県ならびに長野県内の学校給食関係者と交渉を始めている。 以上のように、交付申請書に記した研究目的の達成のため、研究実施計画に記載した内容が調査期間内にほぼ実行できるよう進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果の発表の機会としては、平成30年度には、平成29年9月中旬に行ったスウェーデンの保育園・幼稚園、小・中学校、高校での調査結果をまとめ、平成30年5月26日~5月27日に日本女子大学で行われる日本家政学会第70回大会で、「スウェーデンの学校給食と食育」というテーマでポスター発表を行う予定である。また、平成29年9月下旬に行ったイタリアローマ市内の保育園・幼稚園および小・中学校での調査結果をまとめて、平成30年8月30~8月31日に武庫川女子大学で行われる調理科学会平成30年度大会で、「イタリアローマ市の学校給食」というテーマでポスター発表を行う予定である。その他、平成30年9月26日~29日にギリシャで行われる国際学会SIEF 22nd International Ethnological Food Research Conferenceにおいて、「THE SPECIAL CHARACTERISTICS OF JAPANESE SCHOOL LUNCH AND ITS CHANGES FROM THE VIEWPOINTS OF TRADITIONAL FOOD CULTURE AND NUTRITIONAL SCIENCE」というテーマで口頭発表を行う予定で、関係の論文投稿の準備を行っている。 平成30年度に行う調査の準備として、ドイツでは、9月初旬にドイツ北部にあるベルリン、9月後半にドイツ南西部にあるバーデン=ヴュルテンベルク州の州都であるシュツットガルトでの学校給食の現地調査の準備を進めている。日本国内では、栄養教諭の全員配置が行われている鹿児島県での調査準備を進めている。
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