2018 Fiscal Year Research-status Report
医薬品に適用される製剤試験による健康食品の品質評価に関する研究
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16K00942
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Research Institution | Osaka Institute of Public Health |
Principal Investigator |
梶村 計志 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 課長 (40250336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 正美 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 主任研究員 (30260368)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 健康食品 / 製剤試験 / 崩壊試験 / 溶出試験 / 重量偏差試験 / 硬度試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は「いわゆる健康食品」の製剤学的な品質の時系列的な変化について検討を開始した。健康食品を医薬品の申請時に適用される加速条件下(温度:40℃、相対湿度:75%)で保存し、外観の確認および医薬品に適用される各種製剤試験を実施した。1)いわゆる健康食品:過去2年間における調査から、崩壊試験と溶出試験において異なる製剤学的な品質が確認された3種類の製品を選択し検討を開始した。何れも水溶性ビタミンが配合された錠剤型(素錠)の健康食品である。各製品中における水溶性ビタミンの含量(表示量に対する含量百分率)は、何れも表示量に近い値を示した(含量に対する重量百分率は、それぞれB1:114~127%、B2:96~104%およびB6:101~125%)。2)重量偏差試験:保存開始時における3製品の平均重量(n=10)は、345mg、212mgおよび252mgであった。また、標準偏差はそれぞれ、7.5、1.8および2.7であった。3)崩壊試験: 3種類の製品の崩壊性に係る品質は、大きく異なっていた。試験開始後、20分以内に全ての試料が崩壊したもの、120分後でも全てが錠剤としての原型を留めるもの、その中間的な挙動を示すものに分かれた。4)硬度試験:保存開始時における各製品の平均硬度(n=5)はそれぞれ、8.9 kg/cm2、11.9 kg/cm2および11.6kg/cm2であった。5)溶出試験:検討を行った3種類の健康食品の溶出性に係る品質は異なっていた。B1については各製品共、錠剤毎の溶出挙動の差は小さいものの、試験開始120分後でも65%程度しか溶出が認められないものが存在した。B2に関しては、試験開始120分後でも15%程度しか溶出しないものや、錠剤間のバラツキが大きいものが確認された。B6については、溶出性が低いものや、錠剤間の挙動の差が比較的大きいものが認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年3月から11月まで病気休暇、休職を取得したため、当初の計画通り研究を実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度まで研究期間の延長を申請し、日本学術振興会に受理された。来年度は、当初の研究計画に基づき、未実施の検討項目(医薬品に適用される加速条件下における保存試験)について、研究を行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成30年3月から11月まで病気休暇、休職を取得したため、当初の計画通り研究を実施することができなかった。平成31年度まで研究期間の延長を日本学術振興会に申請し、受理された。来年度は、当初の研究計画に基づき、未実施の検討項目(医薬品に適用される加速条件下における保存試験)について研究を行う予定であり、その際に使用される物品等を購入する。
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