2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K00945
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 久男 北海道大学, 理学研究院, 教授 (20192619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 敏幸 北海道大学, 高等教育推進機構, 教授 (00157025)
吉永 契一郎 金沢大学, 国際基幹教育院, 教授 (70313492)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | STEM教育 / 組織的教育改善 / アメリカの教育 / 高等教育研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度、STEM教育の組織的改善の調査のために、AAC&Uが主催する"2017 Transforming Undergraduate STEM Education"(11月2日~4日、サンフランシスコ)に参加した(鈴木久男、細川敏幸)。特に興味深かったのは、10年前から始められた、The Carl wieman Science Education Initiative)の現在である。組織的改善のためには一時的な資金が必要であるが、補助がなくなった後も、教育改革の成果が続いていることが確認できた。学科にもよる面が大きいが、一時的な補助が、Initiative後の教員負担を増加させない方向に使われたことがわかる。詳細は、別途論文で報告し、日本の大学の教育の組織的改善の参考となるようにする予定である。 もう一つの成果は、教育における情報をどのようにフィードバックしていくかについてである。ミシガン大学では、大学が抱えるビッグデータの中から新しい視点で、教育に有用なデータを求める他、個人の成績や指向性などのデータを元に進級先や、これから習得すべきコースなど、相談が行えるE-Coachシステムを開発した。これにより、通常はなかなか集まらないアンケートの回答率が上昇し、より精度良く進路指導などが行うことができる。 分担者吉永契一郎は、香港の香港大学と香港科学技術大学、台湾の国立台湾大学と清華大学を訪問して、教育改善の調査を行った。香港科学技術大学では、課外授業として、学生達による自由制作を重視しており、学生の内発的動機に基づく自由研究が、正規の科目への動機をも高めていく。こうした傾向はアメリカの工科系大学にも見られており、研究大学での優れた取組と言えるだろう。 以上の調査結果によって得るところは大きく、すでに大学教育学会でも発表済みであり、過去の調査とあわせて、論文を準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の調査訪問先とは資金の関係で、異なってはいるが、補助金以外の大学資金により、アメリカの組織的STEM改善の中心的大学の1つ、コロラド大学ボルダー校のPolock教授を2ヶ月間(6月~8月)招へいすることができた。このため、アメリカのSTEM教育に関する情報を多くえることができ、そのため十分な調査情報を得られた。 今回は、AAC&UのSTEM会議への参加であったが、ポスターセッションなどで数多くの組織的取組の調査が行われた。来年の取組に向けてさらなる研究が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度が最終年度であり、単に調査を継続するだけでなく、それらから教育改善の方向性について新しい視点でまとめ、日本の大学の教育改善に資することを計画している。現在論文を2つ執筆中の他、アメリカのAAC&Uの会議での発表を計画している。
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Causes of Carryover |
本年度STEMの国際会議出席において、分担者細川が、学内の都合により滞在期間が当初予定より3日ほど短縮した。その他、旅行会社の選定により予定額よりも低くなった。当初本年度は2名の海外調査を予定していたが、本年度は海外での成果発表を行い、前年度の繰り越しをあわせて3名での調査と成果発表をする予定である。
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Research Products
(8 results)