2017 Fiscal Year Research-status Report
数学理解を育む可視化や表現変換のプロセスを味わうための高大連携教材の開発的研究
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16K00961
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
大竹 博巳 京都教育大学, 教育学部, 教授 (70168970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 貴之 富山高等専門学校, 一般教養科, 教授 (70553197)
山田 篤史 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20273823)
花木 良 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (70549162)
河崎 哲嗣 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (00582488)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高大連携教育 / 高大接続教育 / 数学教材開発 / 数学教育 / 科学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高等学校数学と大学数学の懸隔を埋め、大学で新たに学ぶ数学分野の理解を促すための方法論として、数学的な事象・対象の可視化や表現変換に焦点を当て、そうした数学的方法論を学習できる高大連携数学教材(高等学校数学では扱われにくいが大学数学のトピックには繋がる教材)を開発することを目的とするものである。 研究2年目である平成29年度は、平成28年度に引き続き、PDCAサイクルの Plan の段階の活動を続けつつも、Do と Check の段階の活動:蓄積した教材・教具試案を基にして、具体的な教材・教具や指導案など授業実践できる教材を蓄積させ、そうした教材・教具を使った授業実践や高大連携授業、演示を行い、研究グループ全体会合等で当該教材・教具の有効性を議論・評価していく作業を行った。 こうして作成した教材等の例として「鏡を使った多面体の探求」、「グラフと隣接行列」、「一筆書きの数学」、「分数と小数を研究しよう ~小学生から大学生へ~」、「平方三角数問題(等)の可視的解法」、「生きる上で必要な表現変換」、「石取りゲームの数理 ~○○○表現で見える問題~」、「2次方程式の虚数解の図式化」、「2乗和、3乗和の公式の図形による新たな証明」がある。全体会合では、折りにふれ、教科書に記載されている適切な可視化の例や無意味な可視化の例を基にし、可視化ということの意味や目的、利点等について議論し、方向性を確認しながら研究を進めた。また、ゲストスピーカーを招いて、工学機器を用いた「見せる数学」「触れる数学」のための教材作成とその活用について発表をしてもらうなどし、本研究グループの開発した教材を、触れて理解に繋げられる教材とすることができるような道筋を付けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究実施計画に沿って研究を進めることができた。具体的には、高大連携的な数学教材案や教具素案の開発を進め、年3回の全体会合とグループ毎の会合において効果性の検討を行うなど研究成果を積み上げてきている。また、学会等で成果の発表も行ない、当研究グループ外の評価・意見も参考にして研究を進めている。これらのことから,「おおむね順調に進展している」と判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度である平成30年度は、教材案の開発・作成や先行研究との比較をこれまで同様に続けながらも、PDCAサイクルの Act の段階の活動:実践結果や研究グループ外の評価・意見を踏まえた評価グループからの具体的な修正要求をもとに、教材・教具や指導案の改善を行うことに重点を置くこととする。そして、最終的には、それらの領域横断性と体系化を図り、できるだけ体系化された形で小冊子や電子媒体に成果をまとめ、研究成果の共有化が広く図られるようにする計画である。 授業実践に関しては、実施校の都合が優先される場合が多いため、学習者に対する教材使用時期と教材の適時性も考慮に入れ、実施校・研究協力者と協議しつつ行うことにより実践の機会を確保することにする。また、研究成果の学会発表等により、外部の評価・意見を参考にする機会を積極的に設けて研究を進める。
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Causes of Carryover |
研究分担者の一人が所属大学の短期派遣事業に当たったため、その基金を使って渡欧し、情報収集ができたために次年度使用額が生じた。この繰越金は、同分担者が平成30年度にも渡欧して資料収集や情報収集に使用する予定である。
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Remarks |
【科学館における演示】花木良・山本春輝「いろいろな万華鏡を楽しもう!」、サイエンスフェア2017、2017年7月、招待演示
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Research Products
(9 results)