2016 Fiscal Year Research-status Report
IDの視点を取り入れた算数・数学科授業デザインプロセスの再検討
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16K00964
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
御園 真史 島根大学, 教育学部, 准教授 (60467040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 雄貴 東京工業大学, 教育革新センター, 准教授 (50570090)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 数学教育 / 算数教育 / 科学教育 / 授業デザイン / インストラクショナルデザイン / 授業構成マップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,インストラクショナル・デザインの知見を基盤として,近年重要視されている「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)を具現化する授業をデザインするツールとしての「授業構成マップ」を提案し,それを用いて授業をデザインすることの効果検証を主要な目的としている。 平成28年度は,授業デザインを行って実際に授業を行った際に,その授業がどうったのかを評価するための評価指標の開発,実際に学校現場で,「授業構成マップ」を用いた授業デザインおよび授業実践による問題点の洗い出し等をインタビュー調査などにより行った。この結果,当初は日常的な授業のデザインツールとして「授業構成マップ」を提案していたが,図の作成に慣れていない場合,作成に時間がかかってしまうなどの問題点が浮かび上がった。また,学校現場の多忙感から,なかなか授業準備自体に時間が裂けない現状と,それに付随して,指導内容に関する教材研究に困難であることが,「授業構成マップ」を用いた授業デザインが有効に機能するための,かなりの影響をしていることが分かった。 この問題に対応するためには,今後,授業構成マップを簡単に作成するためのアプリの開発の必要性,多くの授業構成マップのひな形やデータベースを用意するなど,教員の方々に対する,情報提供の必要性などが課題として挙がった。 なお,評価指標としては,「主体的・対話的で深い学び」を評価するルーブリックの作成を行った。さらに,客観的かつ量的な授業の評価を行うための授業観察方法(SALA法)の開発を行った。この方法については,現場・教育委員会等からも高い評価を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は,H28-(1)「評価指標の開発」,H28-(2)「実験室的方法による効果検証」,H28-(3)「学校現場からの情報収集」の3点を柱として研究を進めることとなっていた。一方,当初の平成29年度の予定は,H29-(1)「長期間の教員養成段階での実践」,H29-(2)「学校現場での実践的方法による効果検証」の2点を柱としていた。 このうち,H28-(1)はほぼ完了した。H28-(2)は準備が遅れていることから,平成29年度に行うこととした。しかし,H28-(3)に関しては,平成29年度に実施予定だったものを平成28年度から前倒して行うことができたことから,全体としては,「おおむね順調に進展している」という判断ができる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は,上半期において,H28-(2)「実験室的方法による効果検証」を進める。また,年間を通じて,H29-(1)「長期間の教員養成段階での実践」を行う。なお,引き続き,学校現場での協力校を通じて,H29-(2)「学校現場での実践的方法による効果検証」も行っていき,データの収集も進めてきたい。 さらに,順次,学会発表,論文の執筆,書籍の刊行などを通じて,成果の公表も積極的に進めていくほか,教員研修などを通じて成果の普及を進めていく。
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Causes of Carryover |
国際会議で情報収集した際の航空券価格が想定より高額だったため,前倒し請求を行った。前倒し請求額は10万円単位であるため,端数が生じ,それを繰り越している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の理由によるため,当初の計画から特に大きな変更を要するなどの問題は想定していないが,平成29年度予算額が当初より減少しているため,物品購入の際に,できるだけ低価格で入手するようにするなど,工夫し,当初予算内で収まるようにする予定である。
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Research Products
(2 results)