2017 Fiscal Year Research-status Report
IDの視点を取り入れた算数・数学科授業デザインプロセスの再検討
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16K00964
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
御園 真史 島根大学, 教育学部, 准教授 (60467040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 雄貴 東京工業大学, 教育革新センター, 准教授 (50570090)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 数学教育 / 算数教育 / 科学教育 / 授業デザイン / インストラクショナル・デザイン / 授業構成マップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,インストラクショナル・デザインの知見を基盤として,近年重視されている「主体的・対話的で深い学び」の授業デザインのためのツールとして「授業構成マップ」を提案し,それを用いて授業開発することの効果検証を主要な目的としている. 平成29年度の主要な研究成果として,教員養成課程の学生に対して,「授業構成マップ」の作成法を指導し,その指導が進むにつれ,学生の授業観にどのような変容が現れるのかを学生のふりかえりのレポートからから共起ネットワーク分析により検証し,授業を構造的にとらえていくことに寄与しうることが分かった.これについては平成30年5月に,数学教育の国際会議であるEARCOME8で発表する予定である. この他,「授業構成マップ」は,児童・生徒の既有知識をベースに展開するが,事例研究として,「測定値の平均」や「不確実性」についての理解を調査し,日本科学教育学会の研究会にて発表を行った.この研究からは,単に既習事項だからといって教師がしているような理解にもとづいてマップを作成するのではなく,児童・生徒の実態に基づいたマップの作成が重要であることが示唆された. さらに,「授業構成マップ」の核心となる授業中の討議場面の事例研究として,中学生の「方程式の利用」の問題に関する記述表現を提示し,生徒によるの理解の違いが議論にどのような影響を及ぼすかを検証した.また,学習内容のみならず学習方略もマップに可視化可能であるかを検討した.以上は,日本数学教育学会秋期研究大会にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は,当初(1)教員養成段階での実践,(2)学校現場での実践を柱としていた.しかし,(2)は平成28年度に前倒して実施しており,今年度の主要な成果としては(1)での検証が達成できたと考える, この他,前述の既有知識やそれをベースにした授業中の討議など,「授業構成マップ」の各要素に関する研究も推進できたため,概ね順調に進展していると判断できる. ただし,「実験室的方法」にまだ不十分な点があるため,平成30年度に推進していきたい.
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は,本科研プロジェクトの最終年度にあたるため,成果をまとめ,論文,学会発表,国際会議での発表等を通じて,成果報告を進めていきたい. また,平成30年度の当初計画にあるように,教員研修としての実施を前提とした研修プログラムの開発にも着手したい. さらに,前述の実験室的方法の成果のとりまとめに不十分な点があるため,この点も進める予定である.
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Causes of Carryover |
平成29年度の主要成果の国際会議での発表が平成30年度5月の開催のため,会計年度をまたいでいるため繰り越しが生じている.
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Research Products
(3 results)