2016 Fiscal Year Research-status Report
情報分野における高大接続のためのプレースメントテストシステムの構築
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16K00973
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
河村 一樹 東京国際大学, 商学部, 教授 (20224850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立田 ルミ 獨協大学, 経済学部, 教授 (10049637)
喜多 一 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (20195241)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 情報プレースメントテスト / 一般情報教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,情報プレースメントテスト(Information Placement Test)に関する基本的な枠組みとして,プレースメントテストの目的と主旨,および,利用対象と利用方法についての策定を行った。そのために,高大接続という視点から,初中等における情報教育の実情(とくに高等学校における学習指導要領,検定教科書,授業実践例など)を把握する活動を行った。それとともに,大学一般情報教育の知識体系であるGEBOK(情報処理学会情報処理教育委員会の一般情報教育委員会が策定)との関連についても検討を行った。 これらの結果をもとに,10エリアから5問ずつ,IPTの作問を行った。作問にあたっては,五者択一式(基本的には,四者択一であるが,プレースメントテストということから「わからない」という選択肢を1つ設けたため)とし,ラジオボタンで選択できるようにした。また,否定的な発問は出題しないこととした。作問後は,科研費メンバーにレビューアをお願いし,相互に作問のチェックを行った。その結果,いくつかの問題が削除され,最終的に37問となった。これらを,Excelのスプレッドシート版,および,Moodle版としてそれぞれ用意した。その上で,科研費メンバーの本務校や非常勤校において,「プレIPT」を実施することとした。「プレ」と名付けているのは,来年4月の各大学の新入生を対象にした本番に向けての事前テストという意味合いである。 「プレIPT」を終えた上で,作問における問題点の洗い出し(設問仕様の設計,レビューアによる設問チェック,高校検定教科書の網羅度の有無)を行うとともに,実施結果のデータ分析(各設問の正誤に関する単純集計,学生の個人情報とテスト結果のクロス集計,出題の妥当性チェックなど)に取り組む行う予定である。また,来年の本番に向けて,再度設問を作り込むとともに,IPTS(WebClass版,Moodle版)の実装に向けての準備を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「プレIPT」として,全37問の設問を用意した。対象領域は,情報のディジタル化,コンピュータの構成とパソコンの動作原理,情報ネットワーク,データモデルとデータベース,情報システム,情報倫理とセキュリティ,メディアとコンピュータの歴史と未来,アカデミックICTスキル,問題解決技法を網羅している。これらを,ExcelとMoodleに実装し,科研費メンバーの大学(本務校,非常勤校)においてそれぞれ実施している。 また,設問とは別に,受講者の情報に関する知識・スキルを把握するための自己診断アンケートを別途用意した。これは,大学入学前までに,どのような情報教育を受けてきたのか,どの程度の情報に関する知識や技能がついているかについて把握するためである。これらのデータをもとにIPTのテスト結果を関連づけることを想定している。
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Strategy for Future Research Activity |
プレIPTが終了したのちに,各大学での実施データを一元化するとともに,単純集計,および,クロス集計を行う予定である。これらによって,プレIPTの出題の妥当性をチェックする。また,作問時およびプレIPT実施時の問題を洗い出し,本番に向けて対策を講じることとする。 以上の作業を終えた上で,IPTSの構築を行う。これについては,日経BP社との共同開発を予定しており,そのプラットホームはWebClassとMoodleとする。また,作問については,各領域で20問で合計200問ほど用意し,ランダムに抽出することも検討したい。 IPTSでは,プレースメントテストだけでなく,日経BP社が開発しているe-Learningシステムとの連携も行う予定である。これによって,IPTを受けて間違えた箇所を自学自習できるサービスを取り込むことも検討したい。 なお,IPTSの本番は,来年4月に入学予定の新入生を想定している。
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Causes of Carryover |
基本的には,科研費メンバーとの打合せに伴う交通費等での支出を予定していたが,メンバーの中には,本務校の個人研究費等から支出していた場合もあり,その結果,残金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度については,研究分担者への配分をせずに,研究代表者に一元化することにした。これによって,できるだけ科研費の旅費が支出できるようにしたい。
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