2016 Fiscal Year Research-status Report
イノベーションに資する工学部におけるリベラルアーツ教育に関する研究
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16K00997
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Research Institution | National Institute of Science and Technology Policy |
Principal Investigator |
浦島 邦子 文部科学省科学技術・学術政策研究所, 科学技術予測センター, 上席研究官 (30371008)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リベラルアーツ / 工学部 / イノベーション / カナダ / オンタリオ州 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は3年計画で実施するものである。1-2年目は、各種データの分析及び国内外の現状把握を主の目的として実施する。1年目は、現状把握を目的に国内外の大学、特に工学部のリベラルアーツ教育に関する実態について調査した。特に今年度はカナダのオンタリオ州立大学を中心に調査した。 1.トロント大学 - カナダNo.1の規模とレベルを誇り、リベラルアーツに関しては文系が中心となって、一般教養を広げ、就職に有利な教育を目的としたカリキュラムを作っている。リベラルアーツ教育のおかげで就職が有利になったということは特段ないが、転職には役立っているであろうとのこと。2. ヨーク大学 - 同大学はオンタリオ州では、リベラルアーツに最も熱心に取り組んでいる大学である。特に、MBAやイノベーションに関する施策に熱心に取り組んでいることもあることから、引き続き調査をする。3.マクマスター大学 - 医学部のメソッドがリベラルアーツに一部該当する。理系の学生が学ぶべきことは、特に経営工学が重要であるが、いわゆる音楽などの芸術も必要との意見あり。4.ウォータールー大学 - MBAの学生が多く、この分野ではカナダ1,2を誇ることからリベラルアーツに関する多くの講義は必修科目としている。5. ウインザー大学 - 就職に有利なことから、多様な感覚を持つ学生を育てるための手段としてリベラルアーツを進めている。しかし実際は工学部であれば専門を一番と問われることから、特段リベラルアーツを必須とは認識していない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は特に海外(カナダ)での取り組みを調査した。当初の予定では1-2大学程度のインタビューを予定していたが、5大学を調査できたことは予定よりも大きな成果であった。しかしながら国内の取り組みに関してはいまだ不十分である。よって、引き続き調査を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目も1年目同様にインタビューを中心としたとした調査を引き続き行う。当初の予定である工学部におけるリベラルアーツ教育の現状把握として、大学のホームページなどから工学部のカリキュラムを把握し、必要に応じてにインタビューを実施し、現在抱えている詳細な問題点まで把握する。そして、同時に大学発ベンチャーの実態と現状との乖離に関する調査、大学や若手研究者による起業に関する実態を把握する。また、経産省や経団連などが実施している研究者に求める要素に関する報告書などを分析し、実態との乖離について調査する。そして世界各国で実施されているリベラルアーツ教育の現状について調査し、さらにイノベーションに関するOECDなどのデータから、例えば大学発ベンチャーの取り組みなどを解析し、産学官それぞれの取り組みを俯瞰的に把握することを目的に海外動向を調査する。
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Causes of Carryover |
初年度は海外訪問を2-3回計画していたが、体調不良により1回しか実施できなかった。よって翌年度は前年度計画を含めた形で実施する必要がある。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度同様、国内外の実態を把握するために現地を訪問してヒアリング調査を行う。北米やヨーロッパ訪問を計画していることから、昨年同様費用が必要である。
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Research Products
(7 results)