2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research on liberal arts education for the engineering department contributing to innovation
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16K00997
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Research Institution | National Institute of Science and Technology Policy |
Principal Investigator |
浦島 邦子 文部科学省科学技術・学術政策研究所, 科学技術予測センター, 上席研究官 (30371008)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リベラルアーツ / 基礎教育 / 教養 / 工学教育 / カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、現在いくつかの大学で実施されているものとは違う、これからの工学部におけるリベラルアーツ(LA)教育に関する施策について検討することを目的に実施した。最終年度である今年は、主に国内外で実施されているリベラルアーツ教育の現状と課題について調査し、特に我が国との違いや、これからのLA教育に関する課題などを調査した。 日本の多くの大学では一般的に「教養教育」をLA教育とし、あくまでも専門教育の前提となる幅広い教養という位置づけである。1、2年生に集中して教授し、3年生以降に専門教育中心に移行していくスタイルが一般的なLA教育であった。しかし近年、日本で生まれている独自のLA教育として、専門分野を持ちながらも、複数の学問分野を横断した授業が行われるようになってきている。つまり一般教養など外国科目をはじめ視野を広げるための教養科目を選択しながら、同時に専門性を深めていくというシステムである。 一方で、米国ではLA教育は、おもに専門職大学院に進学するための基礎教育としての性格が強く、「法学部」「医学部」「経営学部」などの専攻をする学生はまず4年制学部過程で学んでから専門へと進む。 このように、LAに対する基本的な考えの相違が、我が国における新規事業やイノベーションに資する研究を創出できる人材育成教育の差となっている。教養的、学際的を問わず、LA系の学部ではグループワークによる問題発見・解決型のカリキュラムが多く取り入れられ、討議やプレゼンテーション・フィールドワークが頻繁に行われることから、それらのスキルが身につきやすい。専門はもちろんであるが、社会人には複数の分野にまたがる問題解決をコーディネートする能力が期待される。幅広い教養と行動力を身につけた人材育成のカリキュラムが、これからの大学教育には不可欠である。
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Remarks |
第11回科学技術予測調査報告書
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Research Products
(11 results)