2017 Fiscal Year Research-status Report
主体的な問題解決型の資料学習を可能にするシステムの開発とその教育効果の検証
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16K01007
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
佐藤 綾 群馬大学, 教育学部, 講師 (00611245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 淳一 群馬大学, 教育学部, 准教授 (90583922)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 理科教育 / 生物教育 / データセット / 探究的な過程 / 仮説検証 |
Outline of Annual Research Achievements |
理科では、実験・観察を行うことが難しい内容を「資料学習」により学ぶことが多い。学習指導要領においては、そのような実験・観察を行うことが難しい内容においても、探究の道筋に沿った学習の過程が求められている。しかしながら、現在の一般的な資料学習では、ある事象を説明する結果のみが示され、全員が同じようにそのデータを解析するため、探究の道筋が1つに制限されてしまう。本研究では、ある事象に関連する様々なデータを提示し、子どもがそのデータセットの中から自身が立てた仮説に沿ってデータを選択し解析する「主体的な資料学習」の方法を提案する。そして、その効果を検証することで、「子どもの問題解決能力の育成」に貢献する新しい資料学習のあり方を提供することを目的としている。 本年度は中学校理科第2学年「脊椎動物のなかま」で恒温動物と変温動物の分類について学習するためのデータセットを作成した。また、そのデータセットを用いた学習プログラムを開発し、中学校で授業実践を行った。その授業記録から、データの分析の活動における生徒への指導・支援のポイント、データ分析の活動が生徒の考察の活動に与える影響について有用な検討を行うことができた。 また、昨年度授業実践を行った「密度効果」と「植物と昆虫の送粉関係」のデータセットを用いた探究的な資料学習について、それぞれ理科教育学研究への論文投稿と理科教育学会第67回全国大会での学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおり、データセットの作成、学習プログラムの作成を終えることができ、それらを用いた授業実践により成果を得ることができている。また、それら成果の一部を投稿論文、学会発表において公表しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
授業実践での成果をもとに、これまでに作成した各教材の学習プログラムの修正を行う。また、データセットを学習プログラムと合わせ、ホームページなどにより公開するとともに、教員研修などの機会を用いて本教材の普及活動を行う。それらを通じて、授業での実践例を蓄積し、学習プログラムの改良と汎化を行う予定である。
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Causes of Carryover |
2017年度に投稿していた論文の受理に時間を要しているため次年度使用額が生じた。今後、論文の掲載が決定した際、超過請求、別刷請求に充てる予定である。
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