2018 Fiscal Year Research-status Report
インターネット望遠鏡の南半球への設置にむけた基礎調査
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16K01026
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
戸田 晃一 富山県立大学, 工学部, 教授 (20338198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 裕樹 東北公益文科大学, 公私立大学の部局等, 講師 (20348816)
澤渡 信之 東京理科大学, 理工学部物理学科, 准教授 (80339126)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インターネット望遠鏡 / 天文教育 / 科学啓蒙活動 / サイエンスカフェ / アウトリーチ活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年(2018年)度の研究実績としては,以下の4点がある: ①インターネット望遠鏡システムの南米設置先の第1候補であるブラジル・サンパウロ大学のL. A. Ferreira氏が来日し,詳細な打ち合わせを行った。(昨年度は日本側の二名が先方の大学に滞在し,事前打ち合わせを行った。) ②昨年度は中国国内の設置を目指して,北京市内の複数大学や研究機関にて実演などを行ったが,今年度は台湾の国立台湾大学(台北)や中国科学院(台北)などで同様に本研究プロジェクトの広報活動を行った。 ③平成28年度に米国・ニューヨーク,平成29年度はイタリア・ミラノ郊外にそれぞれ設置してあるインターネット望遠鏡システムのハードウェア面の修理を行った。これにより,北半球に設置してある全てのインターネット望遠鏡システムによる天体観測が再び可能となった。今年度はこれらのシステムのソフトウェア面の再整備を行った。南半球へのインターネット望遠鏡設置を確実にするためには,北半球でのインターネット望遠鏡プロジェクトの拡大が重要である。ブラジル側の動機付けとなるので,②や③のような活動は極めて重要と考える。 ④これまでに引き続き,青少年のための科学の祭典2018・鹿児島大会(7月),青少年のための科学の祭典2018・全国大会(7月),富山県立大学ダ・ヴィンチ祭2018(8月),青少年のための科学の祭典2018・名古屋大会(10月),第8回インターネット望遠鏡シンポジウム(12月)などでインターネット望遠鏡システムおよび本研究プロジェクトの一部を実演により紹介した。 ⑤昨年度に引き続き,インターネット望遠鏡システムマニュアルの外国語版の作成も随時行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者は平成29年(2017年)度から学内業務について多忙を極め,研究時間が十分に取れなかった。このことが本研究プロジェクトの進捗状況が遅れている最大の原因である。
また,ブラジル国内の研究協力者の一人が病気となり,研究期間の最初の平成28年(2016年)7月より約14ヶ月間入院した。そのため,ブラジル国内での研究活動が当初予定より半年以上の遅れを生じた。(その後は,研究計画通りにブラジル側との打ち合わせを行うことはできている。)さらに,イタリア国内に設置してある望遠鏡が平成29年(2017年)2月に落雷により故障し,クラウドファンディンによりその修理自体を完了したのが平成30年(2018年)4月であった。しかし,その後に電源周りの根本的な問題点が見つかり,現在もその問題解決を行っている。
一方で,インターネット望遠鏡システムマニュアルの多言語化や国内外での本プロジェクトの広報活動などは研究計画通りに着実に行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年(2018年)度が本科研費プロジェクトの最終年度であったが,上述の通りに当初計画を約8ヶ月遅延している。よって,一年間延長し,本プロジェクトの主目的である「インターネット望遠鏡システムの南米への設置」を推進させる。 そのために再度研究代表者または分担者が,ブラジル・サンパウロ大学(ブラジル側の代表者であるL. A. Ferreira氏)に滞在し,ブラジル国内設置に関する入念な最終的な打合せを行う予定である。また,日本国内設置の複数のインターネット望遠鏡システムの実物の見学やシステム別の管理法の紹介を企画している。 また,「インターネット望遠鏡システムのマニュアルの多言語化」,とくに「英語版マニュアルの完成および公開」を着実に推進させる。マニュアルの多言語化はすぐにはできないが,英語版,中国語版,ロシア語版,ドイツ語版,フランス語版,ポルトガル語版などを今後も着実に進めていきたい。 加えて,利用者の更なる増加を目指して「インターネット望遠鏡システムおよび本研究プロジェクトの広報活動」を積極的に行う。高等学校でのインターネット望遠鏡システムの利用による成果の報告が複数あるので,これらの成果実績も広報に活かしていきたい。令和元年(2019年)度もこれまで通り「インターネット望遠鏡シンポジウム」を開催したい。
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Causes of Carryover |
上記の通り,研究計画が当初予定より約8ヶ月遅延しているために,平成30年(2018年)度も繰越金が発生した。
令和元年(2019年)夏以降に設置準備,広報活動および情報収集のための国内外の出張を複数回予定しており,必要な物品および旅費で残額を使用する予定である。
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Remarks |
インターネット望遠鏡プロジェクト全般の情報源であり,かつ本研究プロジェクトの中心となるwebページである。
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