2016 Fiscal Year Research-status Report
IoT技術者育成のための教育コンテンツの開発と協働学習による検証
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16K01036
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
諏訪 敬祐 東京都市大学, メディア情報学部, 教授 (20366850)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | IoT / インターネット / ワイヤレス / データベース / センサ / Raspberry Pi |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大学における教育、研究活動(特にゼミ活動)においてIoTに関する様々な知識をもとにした教育コンテンツを制作し、グループワークによりIoTの事例を製作する協働学習を行って、一貫した活動を通してIoTシステムを自ら構築できる能力を身に付ける。また、協働学習により開発した教育コンテンツのIoT技術者教育への有効性を検証する。 IoTはインターネット、通信ネットワークなど情報基盤プラットフォームの構築技術、センサ、無線通信端末などのハードウェア技術、端末に実装するソフトウェアを作成するプログラミング技術、データを収集、蓄積して利用するデータベース構築と管理技術、データ分析技術など広範な知識が必要となる。そこで、大学において、これらのIoTに関連する技術を効率よく学ぶ教育コンテンツと学習手順について明らかにする。 平成28年度はIoTの実際の事例を調査する観点からゼミの3年生を中心に第13回神奈川産学チャレンジプログラムに応募し、企業からの研究テーマ「IoT(Internet of Things)を活用した新しいソリューションの提案」に取組んだ。この課題に対して様々なIoTの事例調査を踏まえ、1.満員電車の混雑度および、それにかかるストレスの減少・改善を目的とするサービスの提案、2.ユーザの利便性を考慮した洗濯物自動取り込みシステムを提案した。具体的なシステム構築と検証までには至らなかったが、企業関係者へのプレゼンと討論により学生たちは多くの経験を得ることができた。IoTのシステム構築事例として低廉なマイコンであるRaspberry Piとクラウドサービスを用いて野鳥観察の動画撮影システムを製作した。野鳥を撮影した動画データをGmailアカウントに送信し、クラウド上でデータを管理することにより野鳥観察を効率的に支援することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は4年生の卒業研究を通して単独研究でIoTのシステム構築を行っている学生が多く、3年生はグループワークを通してIoTの事例調査を行い、IoTのテーマ探索を行った。また、インターネット、ハードウェア、プログラミングの基礎知識を修得した。IoT学習と研究は進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度はゼミメンバーでの議論を通してIoTの構築事例調査とアイデア提案を行ったので、平成29年度はウエアラブル端末を用いた健康増進システムの研究を複数の学生が個別テーマで研究を行う。サービスの要求条件、システムの機能及び要求仕様をそれぞれ明らかにし、これらをもとにハードウェア製作、プログラム作成を行う。また、インターネット上での動作・機能確認、検証を行う。端末のセンサから得られたデータの分析やユーザのアンケート結果からシステムへのフィードバックを行うとともに課題を明かにし、卒業論文にまとめ成果の発表を行う。
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Causes of Carryover |
平成28年度はIoTに関する事例調査に時間を要し、結果的にハードウェア製作の時間が少なくなりハードウェア部品(Raspberry Piなどマイコン部品)の購入費用が少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ハードウェア部品としてウエアラブル端末やRaspberry Piなどを購入する予定である。
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