2018 Fiscal Year Annual Research Report
Reform of Science Education in German Primary School and Kindergarten -A Study on the Continuity of Learning-
Project/Area Number |
16K01040
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
宮野 純次 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (00229874)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 学びの連続性 / コンピテンシー指向 / ドイツ初等・基礎領域 / 科学教育 / カリキュラム改革 / 範例的な学習事例 |
Outline of Annual Research Achievements |
ドイツの初等教育、就学前教育の教育改革において,コンピテンシー指向の教育が進められ,科学教育の基礎において学びの連続性がより図られていることを具体的に明らかにした。就学前の基礎領域において,すべての州の教育計画に「自然体験」や「自然の探究」が含まれ,「自然の世話」,「自然認識」や「自然への責任」もほぼ全州で取り扱われている。さらに,科学教育の基礎として,子どもの感覚や直接的な体験を通して,知覚し理解することが重視されると共に、持続的な開発に関する問題も,子どもたちの身近な世界に結びつけて取り組むように考慮されている。 改訂された初等領域の学会版教育スタンダードにおいても,予備的展望の授業として,就学前の基礎領域で獲得されるべき重要な能力,知識の接続,態度が明確にされ,学びの連続性が改善されている。そして,初等教育の事象教授では,範例的な学習事例を提示している。まず「学習状況/出発点」として,具体的な自然物とのかかわりの中で,より深く理解させ認識させる。次の「課題と使命」で,観察やスケッチ,比較,特徴の記載,実験などに個人やペア,グループで取り組み,交流する。「補充の可能性/比較が可能な二者択一」で,比較のための実験やグループ活動やクラス全体での活動,継続的な観察や探究なども考慮される。また,教師が「支援するコンピテンシー」や「評価」についても具体的に提示されていることは特筆に値する。この範例的な学習事例に加えて,学習事例集が出版されたことで,より一層,コンピテンシー指向の学習の展開・充実が期待される。 ドイツの初等・基礎領域の科学教育カリキュラム改革では,両領域における子どもの特性が十分に考慮されて学びの連続性が図られ,科学教育の基礎として,中等教育段階の科学教育への継続的な学びに繋がるように構想・展開されている。
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